横浜流星、“5つの顔を持つ”逃亡犯という難役に「維持するのはとても苦しかった」
横浜流星、吉岡里帆、森本慎太郎、山田杏奈、山田孝之、藤井道人監督が5日、11月29日から公開される映画『正体』 完成披露舞台挨拶に登壇。演じるにあたり意識していたことや撮影の裏話を語った。また、イベント後半ではフリップを使用して、共演するなかで知った横浜の“正体”を明かしていくという企画も行われた。 【写真】横浜流星、映画『正体』完成披露舞台挨拶の模様 原作は、染井為人による傑作小説「正体」。日本中を震撼させた殺人事件の容疑者として逮捕され、死刑判決を受けたが脱走し潜伏を続ける主人公。脱走した殺人事件の容疑者を追う刑事が、逃走先で容疑者と出会った人々との取り調べから、まるで別人のような新たな人物像に出会う様を描くサスペンスエンタテイメント作品。本作のメガホンをとったのは、『余命10年』(2022年公開)、『青春18×2 君へと続く道』を手がけた藤井道人監督。 逃走を続ける主人公の鏑木恵一を演じた横浜流星をはじめ、鏑木の無実を信じる沙耶香を演じた吉岡里帆、鏑木を犯人ではないかと疑う和也を演じた森本慎太郎、鏑木に恋心を抱く舞を演じた山田杏奈、鏑木を追う刑事又貫を演じた山田孝之らキャスト陣と本作でメガホンをとった藤井道人監督が完成披露舞台挨拶に登壇した。 藤井監督とのタッグは、『青の帰り道』、『ヴィレッジ』に続き、長編では今回で3回目。横浜にとって、クランクインから遡ること約3年もの間、監督と脚本やセリフなどのやりとりをし準備を進めてきた作品であり、「非常に思い入れのある作品」だという。 “5つの顔を持つ”逃亡犯という難役に挑んだ横浜流星は、「サスペンスですが、エモーショナルな人間ドラマになっていて、エンタメに仕上がっているので、老若男女問わず観ていただきたいですし、自分の中で一つの集大成となった作品が4年の月日を経て完成し、皆様にお届けできることを嬉しく思います」と喜びを語った。 演じる上で特に苦労をした点を聞かれた横浜は、「誰からも自分を信じてもらえない状況に落ち入っていて、その中で脱獄をします。正しいと思えないような行動ですが、どんな状況、どんなことがあっても、彼の真意や目的を見失わないようにいることを一番大事にしていました。それをずっと維持するというのはとても苦しく苦労しました」。 続けて、「それぞれ違う人物を演じているんですけど、別人格ではないので、しっかりと彼の心の部分、鏑木としていることをとにかく意識していましたし、20代の彼が必死に考えてみんなの前に現れたそれぞれのキャラは、監督とメイク部や衣裳部の皆さんと相談してリアルを追求しました。やりすぎるとコスプレになってしまうし、しっかりと街の中でいてもちゃんと紛れるようというのを意識していました」と意識していたことを明かした。 また、イベント後半ではフリップを使用して、共演したなかで知った横浜の“正体”を明かしていくという企画も行われた。吉岡は「生身」、森本は「おしゃべり」、山田杏奈「仕事人」、山田孝之「水」、藤井監督は「武士」とそれぞれ共演して感じた印象を挙げた。その中で横浜は逆に自分自身がまだあまり明かしていない部分について、「なし」と回答。 その理由は、「皆さんが自分の正体を言ってくださるのはありがたいんですけど、自分から自分のことをあまり皆さんに伝えたくなくて。というのも役者という仕事はミステリアスでいることがいいなと思っていて、自分の人柄を深く知られて作品に影響するのも嫌だし、とにかく自分を排除していきたい」と、役者としてのストイックな一面を感じさせる回答で締めくくった。