高報酬が裏目、香港でさらに投資バンカー削減も-ディール低迷
(ブルームバーグ): 香港の投資バンカーはさらなる人員削減に直面する可能性があると、ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)はみている。中国でのディール低迷が続き、雇用主が高給のスタッフを削減しようとしているためだという。
シニアアナリストのフランシス・チャン氏は22日公表したリポートで、香港のバンカー200人が過去1年間に失職したと推計。香港のシニアバンカーの給与はシンガポールの同業者を40-70%上回っており、雇用主が人員を削減する中で、その高い報酬が「あだ」となりかねないと分析した。
その上で、「特に中国の景気減速期とあって、より多くのグローバル銀行が一段のコスト削減に向け、香港で追加人員削減を行う可能性がある」との見方を示した。
中国の不動産危機や民間企業への締め付け、米国との関係悪化に伴うディール低迷で、複数のグローバル銀行がアジア投資銀行部門のスタッフを減らしている。モルガン・スタンレーとHSBCホールディングスも今月に入り投資銀行部門で人員削減を実施し、香港と中国部門が対象となった。
投資銀行部門とは対照的に、ウェルス・プライベートバンキング部門の雇用市場は依然として安定している。中国本土のウェルスファンドが香港に流入する中、HSBCやスタンダードチャータード、中国銀行(香港)などの銀行が恩恵を受けている。
「資本市場部門とウェルスマネジメント部門とでは見通しが異なるため、香港の金融専門家は運命が分かれるかもしれない」とチェン氏は語った。
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原題:HK Bankers Face More Job Cuts on China Slowdown, High Pay (1)(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Denise Wee