大阪松竹座「七月大歌舞伎」開幕 六代目中村時蔵、襲名披露狂言「八重桐廓噺『嫗山姥』」で勇壮な立ち回り
「七月大歌舞伎」が3日、大阪市中央区の大阪松竹座で開幕した。 「小さん金五郎」、舞踊「藤娘」「俄獅子」に続く昼の部の締めくくりは初代中村萬壽(69)の襲名披露、五代目中村梅枝(8)初舞台の「恋女房染分手綱『重の井』」。乳人重の井を萬壽、自然薯の三吉を梅枝が勤めた。 梅枝が花道から登場すると大きな拍手が湧き起こり、三吉が双六の遊び方を説明する様子や、入間家の奥家老、本田弥三左衛門(中村歌六)をからかう様子に客席からは笑みが。 重の井が自分の母と気づいた三吉は「かか様じゃ」と、一緒にいることを訴えるも、願いを聞き入れない重の井が最後に顔を見たいと抱き寄せる場面では、客席からすすり泣きが聞こえた。 夜の部は、人間国宝の片岡仁左衛門(80)が歌舞伎三大義太夫狂言に数えられる「義経千本桜」から三段目にあたる「木の実・小金吾討死・すし屋」で主人公、いがみの権太を熱演。 また、六代目中村時蔵(36)が、「私の家にとって、とても由縁のある狂言」という襲名披露狂言「八重桐廓噺『嫗山姥』」で初役の荻野屋八重桐を勤め、勇壮な立ち回りを披露して夜の部を華やかに締めた。 26日まで。