[特集/激闘!アジアカップ 01]名良橋晃のサッカー定点観測 特別編 日本代表が狙うは頂点しかない “26人総力戦”で日本に笑顔を!
日本サッカー界が目標に掲げるのは、2026年W杯でこれまで跳ね返されてきたラウンド16の壁を突破し、より上へと勝ち上がるということ。アジア杯はそのための試金石となる大事な大会で、内容とともに結果も求められる。結果=優勝である。 グループステージ3試合。決勝トーナメント4試合。優勝するためには、7試合を戦い抜かなければならない。大会中にはさまざまなトラブルが起きることが予想される。どうチームをマネジメントし、どう戦っていけばいいのか。注意すべきポイントやいまの代表に求めることとは。本誌のご意見番である名良橋晃氏が解説する。
7試合を戦い抜くためにターンオーバーは必須
アジア杯についてお話しする前に、令和6年能登半島地震、羽田空港での日本航空と海上保安庁の航空機の衝突で亡くなられた方々に哀悼の意を表します。ならびに、被災された方々の日常が一日でも早く戻ることを願っています。 サッカーができるのは決して当たり前ではないです。サッカーができる日常に感謝しながら、アジア杯に臨む選手たちには戦ってほしいです。カタールの地から、日本全体に何かしらのパワーを与えてほしい。森保一監督はこうした気持ちをすごく大切にしているので、すでに選手たちに伝えていると思います。みんなで一つになって戦い、結果(=優勝)を残してほしいです。 日本代表は右肩上がりで成長しています。9連勝中で、その間に36得点です。アジアに止めるチームがあるのかという勢いで現地入りしています。具体的に大会をみていくと、優勝するためには7試合を戦い抜かないといけないです。100%のコンディションではない選手がいるし、ケガ人や出場停止なども出てくるでしょう。連戦によって勝ち上がるほど疲労も溜まっていきます。総力戦であり、登録26名でどう戦っていくかが重要です。 とくに、グループステージはターンオーバーが必要。ベトナム、イラクに連勝し、決勝トーナメント進出を決めてインドネシア戦を迎えるのが理想です。この状況になればいろんなことができます。とはいえ、2位通過だとラウンド16でE組1位との対戦になり、韓国とぶつかる可能性が高いです。ここで日本×韓国が実現してしまうともったいないので、ターンオーバーしつつもグループステージは絶対に首位通過でお願いしたいところです! 新しい選手が多かった1月1日のタイ戦では、後半からベースとなる選手が入ることでガラっと変わりました。堂安律、中村敬斗が入り、雰囲気が変わりましたね。やはり積み上げは必要だと感じます。短期決戦で新しい選手がどこまでフィットできるか、がひとつのポイントになります。 FWは上田綺世のコンディションに不安があるので、細谷真大に期待しています。点を取るべき前線の選手がゴールを奪うと、本人はもちろんチーム全体にも勢いが出ます。タイ戦、その後現地で行ったヨルダンとの強化試合では無得点でしたが、1点取ればノッていけると思います。間違いなくチャンスはあると思うので、生かしてほしいです。 渡辺剛や佐野海舟も楽しみです。中山雄太も復帰しています。大会を通じて、全選手にチャンスがあるはずです。優勝した11年アジア杯のとき、準々決勝のカタール戦ではそれまで出場が少なかった伊野波雅彦が決勝ゴールを奪いました。同じように、“救世主”のような活躍をする選手が出てくることを期待しています。