中国人民銀、経済の短期的課題に焦点シフト-目先の見通しを懸念
(ブルームバーグ): 中国人民銀行(中央銀行)は、今年に入り経済に改善の兆しが出ているものの、需要低迷とセンチメントの悪化が下押し圧力になっていることを認め、既存の成長てこ入れ策を最大限に活用する方針を表明した。四半期の金融政策委員会後に声明を公表した。
声明では、中国経済が「有効需要の不足や社会的期待の相対的弱さといった課題に依然として直面している」と指摘。
その上で「カウンターシクリカル(反循環的、逆周期)調整の実行に一段の注意を払う」と述べた。これは経済の短期的な変動に対処するための措置に関して使われることが多い。さらに目先の見通しに対する当局の懸念が高まっていることを示すもう一つの兆候として、人民銀は前回の会合後の声明にあった「クロスシクリカル(跨周期)調整」との文言を削除した。これは、長期的な構造問題に取り組むことを目的とした政策を説明する際に使われる表現だ。
一方、人民銀は新たに積極的な緩和策を講じる用意があると示唆することは控え、「既存の金融政策の実行を強化する」と表明した。流動性を「合理的に潤沢な」水準に保つとともに、物価の「穏やかな持ち直し」を促し、「為替相場の過剰な調整を断固として防ぐ」と改めて強調した。
原題:China Central Bank Sharpens Focus on Economy’s Short-Term Woes(抜粋)
--取材協力:Tom Hancock.
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