「BE:FIRST」「MAZZEL」を生んだSKY-HIが考える、理想のアーティスト像
アーティスト・ラッパーのSKY-HIが代表取締役CEOを務める、音楽事務所BMSG。2021年に「BE:FIRST」、2023年に「MAZZEL」と人気ボーイズグループを続々と輩出し、勢いに乗っている。 同年から実施している事務所の垣根を超えた音楽イベント「D.U.N.K. Showcase」や2024年に始動したガールズグループオーディション「No No Girls」など、近年はプロデューサーとしての側面が注目されているSKY-HIだが、その根底には「音楽業界を持続不可能にしないために」という想いがある。 その想いは、2005年、18歳のときに男女混合パフォーマンスグループ「AAA」のメンバーとしてデビューし、第一線で活躍し続けてきたSKY-HI自身の経験からくるもの。CEOとして音楽業界の改革に挑むSKY-HIが考える、理想のアーティスト像とは──。 ■「氷山に向かっているタイタニック号の状態」 「日本の音楽業界は今、重大な欠陥に直面しています」 SKY-HIは4月に行われた関係先向けのビジネスカンファレンス「Greeting & Gathering ’24」で、こう語った。 日本の音楽市場は、売上規模では米国に次ぐ世界2位。しかし、世界の音楽市場の売上推移を見ると日本は遅れていることが分かる。グローバルではストリーミング配信中心のビジネスモデルへのチェンジに成功し、年々市場を拡大させている一方で、日本では依然としてCDの売上に依存しているからだ。 この点は、同社が今年2月に発表した「BMSGから音楽業界を持続不可能にしないための提言」の中でも言及されている。 “1990年代から変わらない利益の分配構造やそこからの予算の割り当てに苦しむアーティストやアイドルも多く、時代が変わっている中でCDの売り上げという指標を継続して目標に設定される結果、ストリーミングへの移行が遅れチャンスを逃したり活動を続けられなくなった方々もいます”