「弱いヒーロー Class1」

「NAVER WEBTOON」「LINEマンガ」で話題のコミック「弱いヒーロー」原作の実写ドラマが、CS放送「衛星劇場」で12月22日(金)より日本初放送される。マンガらしい爽快な切り口のシチュエーションを、パク・ジフン、チェ・ヒョヌクらが繊細な演技で盛り上げた話題作だ。本記事では、コミックの持つ魅力を、韓流らしいアプローチでドラマ化した「弱いヒーローClass1」が持つ可能性に迫った。 【写真】パク・ジフン“シウン”、椅子を持ちいじめっ子に立ち向かう迫力満点の場面写真 ■パク・ジフン×チェ・ヒョヌク、若手ホープ2人の豪華共演 同ドラマの原作は、現在も連載中の大人気WEBマンガ「弱いヒーロー」。天性の頭脳を持つ優等生ヨン・シウン(パク・ジフン)が、学校内で執拗ないじめを受けるようになり、初めて友達になったアン・スホ(チェ・ヒョヌク)らとともに、理不尽な暴力に対抗していく過程を描いた学園アクションドラマだ。 2022年11月に韓国、アメリカ、台湾で配信後、米Forbesが選ぶ「2022年最高の韓国ドラマ20」にも選出。韓国の動画配信サービス「Wavve」においては2022年有料加入者数第1位を獲得するなど、世界を熱狂させた人気ドラマでもある。 韓国の話題性調査機関「グッドデータ・コーポレーション」発表の「OTT話題性」ドラマ／シリーズ部門では、4週連続1位を記録。韓国で最も権威ある映画の祭典・青龍映画賞において、主演パク・ジフンが2023年最優秀新人俳優賞受賞を獲得したのも記憶に新しい。 韓国出身のパク・ジフンはソロアーティストとしても注目を集めている人気の若手俳優だ。幼い頃から教科書のモデルや、子役としてミュージカル・テレビドラマ・CMなどに出演。2017年からは期間限定で結成された伝説的な韓国の男性アイドルグループ「Wanna One」のメンバーとしても活動していた。 ダンスが得意であるパク・ジフンは、Wanna Oneの中ではリードダンサーとして活躍。中世的な美貌から“ウィンク王子”の愛称で知られるほか、「僕の心に保存」というキャッチフレーズが韓国で2017年流行語3位となるなど常に注目を集めている存在だ。 アーティスト活動のみならず、俳優としても2020年に出演したドラマ「恋愛革命」でブレイクを果たす。その後も「遠くから見れば青い春」、「弱いヒーロー Class1」とドラマ主演作が続き、2023年には映画初主演作「オードリー」も決定するなど話題の作品で引っ張りだこだ。 さらに同ドラマを語るうえで欠かせないのがチェ・ヒョヌク。Netflix配信中のドラマ「二十五、二十一」や「ラケット少年団」「ラケット少年団」「輝くウォーターメロン～僕らをつなぐ恋うた～」に出演し、次世代俳優として注目を集めている韓国新人俳優だ。 若い世代から特に人気を集めるチェ・ヒョヌクは、演技力の高さでも評価されており韓国SBS演技大賞で新人賞を受賞。多数の広告にも起用され、BRAND CUSTOMER LOYALTY AWARD 2022では「最も影響力のある男性新人俳優」に選ばれるなど注目を集めている。 181cmの高身長を持つチェ・ヒョヌクは学生時代10年間、野球選手として活動。がっしりした頑強でしなやかな肉体は、“天性の運動神経の持ち主”アン・スホを説得力抜群に演じた。 ■熱いブロマンスが光る学園アクション 「弱いヒーロー Class1」は、全校1位の秀才であるヨン・シウンがいじめと暴力がはびこる世界を生き抜く姿を描いた学園アクションドラマ。不良たちを持ち前の頭脳と連携で倒していく爽快感はもちろんだが、その真の魅力は間違いなくヨン・シウンとアン・スホの熱いブロマンスにある。 クラスメイトからの執拗ないじめに耐えかねて反撃に出たヨン・シウン。だが優秀な頭脳と洞察力をもってしても、次々仲間を呼ぶ不良集団を相手にすれば人数や体格の差で勝てなくなる。それでも理不尽な暴力に屈さないために、ヨン・シウンは尋常ではないケンカの強さを誇るアン・スホから戦い方を教わることに。 当初、クールなヨン・シウンはアン・スホとソリが合わない様子だった。しかし焼肉屋でアン・スホが自ら包んだサムギョプサルを「あーん」と無理矢理食べさせるなど、ささやかなイベントの繰り返しによって2人の仲は段々と縮まっていく。同じくクラスのはみ出し者であるオ・ボムソク(ホン・ギョン)と3人でつるんでいくうち、それぞれがかけがえのない絆で結ばれていくのだ。そしてそれだけに、怒涛の展開で畳みかけられるラストが多くの視聴者を驚かせた。 努力と頭脳によって敵を倒すという原作の爽快感だけでなく、韓流の持ち味ともいうべきブロマンスをじっくり描いて輝きを増した同ドラマ。登場人物の魅力を十二分に引き出す脚本と、俳優陣の熱演が見事にマッチした好例といえるだろう。 ちなみに同タイトルはパク・ジフン、チェ・ヒョヌクともにアクション初挑戦となる作品。特にケンカが強いアン・スホを演じるチェ・ヒョヌクは、約4カ月にもわたってアクションの練習を積んだという。ストイックな努力は、爽快でスピーディーなアクションに活きている。アクションシーンでは原作に負けない迫力を、ドラマチックなシーンでは静と動の感情を揺さぶる演技が、「コミック原作ドラマ」に止まらないオリジナリティあふれる魅力を持たせた。 いま注目を集める人気若手俳優たちのアクションと演技は、韓流ファンならずとも一見の価値がある。タイトルで匂わされている通り「Class2」があり得るとしたら、ぜひ波に乗り遅れないようにしたいものだ。