恋とバンドの行方に胸が高鳴る…誰に感情移入するかによって見え方が変わってくるFODドラマ「ギヴン」に注目
キヅナツキ原作によるBLコミック「ギヴン」のアニメ映画化「映画 ギヴン 柊mix」のBDが発売され、後編となる「映画 ギヴン 海へ」が公開中だ。これを機に作品の世界に触れたくなった方は実写化作品であるFODオリジナルドラマ「ギヴン」(2021年)も見てみてはいかがだろう。 【写真】さなりの頬をぷにっとつまむ鈴木仁 ■ロックバンド×青春ラブストーリー 「ギヴン」は4人のロックバンドのメンバーたちを中心に、彼らの恋愛や成長していく姿を繊細に描いた青春ラブストーリー。優れたギターの腕前を持つものの以前ほどに情熱を感じられなくなっていた高校生の上ノ山立夏は、ある日、壊れたギターを抱えた佐藤真冬に出会う。仕方なく弦を直してやると、真冬から懐かれてギターの弾き方を教えてほしいと頼まれる。はじめは渋っていた立夏だが、真冬の歌声を聞いて衝撃を受け、自分のバンドに加わるように誘うのだった。 立夏を鈴木仁が、真冬はラップアーティストのさなりが好演。また、バンドのドラム担当で強面だがモテ男の梶秋彦は井之脇海、ベース担当でリーダーを務める中山春樹は栁俊太郎がそれぞれ扮している。 バンドを通して成長していく青春ドラマの要素と、それぞれが胸に思いを抱えて日々を送る恋愛模様が融合して物語が展開していく本ドラマ。青春の苦しさと眩しさ、そして恋愛のときめきと切なさに見る者は心揺さぶられてしまうことだろう。キャラクターもみんな魅力的で誰に感情移入するかによっても、ドラマの見え方が変わってくる。 ■高校生カップルとはまた違った大人な恋愛も 立夏は高校生らしい高校生でありつつギタリストとしてかっこいい。真冬と出会って惹かれて新しい感情に戸惑いながら向き合おうとする様子にキュンとさせられる。真冬は内向的でつかみどころがない男子だが、歌の類まれな才能を秘めている。さらに話数が進むにつれて彼が大きなトラウマを持つことが明かされていき、そこを乗り越えて真冬が歌をうたえるかもバンドストーリーとして重要なポイントだ。おとなしいのに内に爆弾を抱えたような真冬は刺激的な存在で、2人の恋とバンドの行方にドキドキと胸が高鳴ること間違いない。 また、立夏と真冬だけでなく、秋彦と春樹の恋にも注目して欲しい。無自覚なまま男女ともにモテる秋彦に、一途に思いを寄せている春樹にはほろ苦く切ない気持ちでいっぱいになる。そこに秋彦の同居人である天才バイオリニストの村田雨月(稲葉友)も加わって、高校生カップルとはまた違った大人な恋愛に目が話せなくなるはずだ。 さまざまな恋する気持ちに胸が苦しいほどにときめくドラマ「ギヴン」は、FODで独占配信中。劇場版アニメ「映画 ギヴン 海へ」を見て本ドラマが気になった方はぜひチェックしてみて欲しい。出演者に密着取材したメイキングも配信されているので、より厚みをもって作品を楽しむことができるだろう。 構成・文=牧島史佳