需要予測に応じて料金1100円→500円…ユニークなコインランドリー次々登場、店舗増で「他店と差別化」
変動制の料金や災害対応型など、ユニークなコインランドリーが次々に登場している。家庭での洗濯の手間を減らしたい共働き世帯や、お金と時間を効率的に使いたい若者の増加に伴い、店舗数は右肩上がりで増えている。競争激化を背景に、利用者や地域住民の心をつかむための工夫が目立つ。（寺田航）
AI予測
大阪市中央区の「wash＋ カジスケ谷六店」は8月、変動料金制を導入した。関西のコインランドリーで初という。ホテルの宿泊費やテーマパークの入場料などと同様に、混雑が予想される時は料金が高くなる。需要予測にはAI（人工知能）を活用する。 例えば小型洗濯乾燥機の場合、混雑しやすい「午前10時～午後1時59分」が1回あたり1100円なのに対して、利用の少ない「午前0時～午前5時59分」は500円といったように、時間帯や天気予報などの条件で料金が変わる。近くの専門学校生（19）は「安い時間帯を狙って使うことができて、ありがたい」と話す。 店舗をフランチャイズ運営する大阪ガスビジネスクリエイトの田中正洋・マネジャーは「顧客の分散が進めば稼働率も高くなる。顧客も運営側もウィンウィンの関係だ」と力を込める。
炊き出し
大規模災害が相次ぐ中、災害時の備えを重視したコインランドリーが登場した。全国チェーン「ブルースカイランドリー」では2020年1月から、「災害対応型」の店舗設置が進む。3日分のLPガスをためられるボンベや、ガス燃料の発電機などを備える。災害時の被災者向けの「炊き出し」も想定している。 事業を手がける「ジーアイビー」（名古屋市）によると、災害対応型は今月末時点で約190店舗の見込み。和歌山県や広島県、愛媛県など、近畿や中四国でも展開している。 ランドリーサービスを展開する「OKULAB」（東京）も今年8月、店舗に防災用品を備蓄する取り組み「そなえるランドリー」を東京都内で始めた。非常食や水などをそろえ、被災者や帰宅困難者が一時的に滞在できるようにした。
