眠気吹き飛ぶ!美女と男3人が檻の中「深夜のデスマッチ」 絶叫するアナウンサーにプロを見た 麻雀全日本選手権
【椎名誠の街談巷語】 眠りそこねてやや焦りながらテレビの深夜番組をあちこち流していたら「前日の野球結果」をやっていた。今年は熱烈に応援しているチームというのはないからまあどうでもいい。打ったり打たれたりという面白い展開だったらかえって目が冴えてしまって危険だ。四万人近い群衆のコーフンというのも風景の力量として伝わってくるだろうから、この時間には見ないほうがいいのだ。 それにしても野球のアナウンサーは元気よく喋る。そういう仕事なんだからしょうがないんだろうけれど。選手たちは自分の打席がないイニングだとまあ休める。おしゃべりなんかもできる。守備のときも球がトンでこなければ体をやすめることができる。だが、ピッチャーとテレビのアナウンサーはとにかくずっと働いている。 野球はテレビ向きのスポーツだ。試合進行や打者の成績は画面に文字や数字として逐次あらわれるからわかりやすいし、ホームランが出たときなどもアナウンサーは大騒ぎすればいい。 相撲も土俵にいる当事者たちと行司とアナウンサーとゲストが働いていればコトはすすんでいく。土俵のまわりの五人の勝負検査役も働いているというべきか、黙って座っているというべきか。居眠りはできないだろうが眠たいときもあるだろう。ぼんやりしていると土俵際の攻防で力士がふっとんでくる場合があるから自衛的に油断できない。微妙な勝負や審判になると土俵にあがり、自分の見解を述べなければならないから気をぬけない。 これがサッカーとなると、ひとつのボールを追ういくつかのカメラとスイッチャーとのチームワーク、アナウンサーの絶叫も終始加わり、しかも選手は休みなく動いているから大変だ。水泳、バレーボール、バスケットボール、バドミントン、卓球などのスポーツはスケールが小さくなるのでかかわっている人も限定されてくるのだろうが、その分、休みはなくなる。 フィギュアスケートはスケーターが自己陶酔しちゃっているようなところがあるから見ていて疲れる。カーリングはルールがいまいちわからないので、なんとなく、見ているうちに眠気がやってきたらしめたものだ。 囲碁、将棋もスケールという意味でテレビ向きのような気がする。静かだし。