大谷を支える”天性の末っ子気質” かつて両親が日刊ゲンダイに語っていた「コミュ力の原点」
ドジャース大谷翔平(29)はロバーツ監督の誕生日に日本製の高級ウイスキーとチョコレートをプレゼントしたことが話題を呼んでいる。 【確認する】イッペイの悲しすぎる現在地…米メディアが公開した足錠外される悲壮感漂わせる姿 チームでの様子について、「ベンチでは通訳抜き、笑顔で周囲の選手とふざけ合っている。通訳がいなくなった分、積極的に周囲とコミュニケーションを取っています。ナインとの距離は縮まったように思う」とは、エンゼルス時代から大谷をカバーする現地の特派員だ。(【前編】からつづく) ◇ ◇ ◇ 大谷は元通訳の水原一平被告の賭博スキャンダルがあったにもかかわらず、好調な理由について「(賭博スキャンダルと)グラウンドでやるべきことは切り離してやりたい」とは本人。自分でコントロールできることとできないことを分けて考えていればこそだろうが、「グラウンドでやるべきこと」に集中するためにも欠かせないのがナインや首脳陣とのコミュニケーションではないか。少なくともユニホームを着ている間は、周囲と円滑な関係にあった方がより「グラウンドでやるべきこと」に集中しやすいからだ。 ポルシェや高級ウイスキーは結果としてそのためのツールになっているようだが、周囲とのコミュニケーションを円滑にするための大谷の何よりの“武器”は「末っ子気質」だろう。兄と姉がいる3人きょうだいの末っ子。大谷の親御さんはこう言っている。 「小さいころから、とにかく人のことをよく見ていた。これをしたら怒られるということは、まずしませんでした」「本人も言ってましたけど、年上の子と遊ぶのが好きだったみたいです」「子供のころから何げなく(友達の輪に)入っていって、何げなく遊んで、何げなく帰ってくる。末っ子だからでしょうか」 花巻東高(岩手)3年の夏、韓国で行われたU18世界選手権の日本代表に選ばれた。藤浪(現メッツ)や田村(現ロッテ)らメンバーの多くは大阪出身。ナインの間では大阪弁が飛び交っていたものの、岩手出身の大谷は気後れもせず、すっと輪の中に入ると、いつの間にか輪の中心で身ぶり手ぶり、選手の笑いを誘っていた。 MVPを獲得した2023年のWBCでは、「年齢的にも中堅的な位置。自分が引っ張りたいという思いはない」と言いながら、いつの間にかナインと打ち解け、米国との決勝の前には「(ベッツやトラウトらに)憧れてしまっては超えられない。きょうだけは憧れを捨てて、勝つことだけを考えていきましょう」とナインを鼓舞した。 そうやって気が付いたら周囲と馴染んでいる末っ子気質が、新天地ではプラスに作用しているのだ。