【解説】旅行するなら金沢 米国大手誌が太鼓判 野口さんの目からウロコ
野口さん: 「観光名所だけでなく人に優しい街も売り」 金沢を高く評価したもう一つの雑誌は「コンデナスト・トラベラー」といって、旅行やホテルなどの最新情報を掲載しています。 市川: こちらも富裕層を中心に約320万人の読者を持つんですよね。
野口さん: 雑誌の特集では、工芸職人の制作現場を見学できるプログラムが紹介されたほか、特に能登半島地震で被災した工芸作家の作品をデジタルで発信して、手厚いフォローをしていることについても取り上げています。 観光スポットだけでなく、こうした地域社会を支える「人に優しい」取り組みも取り上げて、旅行するに値する土地として、欧米のインテリ層に訴えているように思います。 市川: 今後はこうした点も一味違った旅のアピール素材になっていくんでしょうね。 野口さん: そこで2つ目の、目からウロコです。
野口さん: 「京都では金閣寺。金沢では金箔貼り」 いろんな観光要素がある中で、金沢ならではと言えば、やはり金箔貼り体験ですね。
野口さん: 日本の99%をここで生産する金箔で工芸品づくりが体験できます。ナショナルジオグラフィックでも、評価が高かったです。
野口さん: 先だって、修学旅行で金沢を訪れたカナダの中学生が金箔貼りを体験し「京都の金閣寺に使われている金箔について、金沢で学べて良かった」と語っていました。 市川: 京都で見た金閣寺の風情を、金箔貼りの体験で深く掘り下げたんですね。 野口さん: 京都と金沢をセットで巡ることで日本の歴史と文化を一歩踏み込んで学習したようです。 欧米の旅行者は関連性のあるテーマを求めて、私たちが考えている以上に広い範囲を移動するようです。
野口さん: ですから県内だけでなく、視野を北陸に広げれば色々なテーマの旅が提案できます。 海外の富裕層に向けて、例えば「北陸の禅の名刹」。 重要文化財に答申された能登の総持寺祖院をはじめ、金沢の大乗寺、高岡の瑞龍寺、福井の永平寺を巡る旅です。 また、「地震でできた能登の震災遺構」。 ジオパークを目指すそうですが、これを含めて北陸の貴重な大地の遺産を巡るジオパークの旅 といった共通する切り口で、広いエリアを巡る旅が、海外の富裕層に提案できるんじゃないでしょうか。
金沢の魅力を深掘りした海外メディアの高い評価を追い風に、まだ国内にも知られていない北陸の穴場を掘り起こして、中身の濃い観光ルートを発信していくことが海外からの誘客につながると思いますね。 市川: ありがとうございました。野口さんの目からウロコでした。