寒風にゆらり、じっくりうま味 八戸で新巻きザケ作り
お歳暮や冬場の贈答品として親しまれる伝統の新巻きザケ作りが、北奥羽地方で佳境を迎えている。八戸市湊町にある山千岩村商店(岩村和夫社長)の作業場では3日、荒縄を使ってつるされたサケが師走の寒風に揺られ、じっくりとうま味を蓄えていた。 原料に使用しているのは北海道釧路産のシロザケの雄。今年は160本を製造予定で、重さ約3キロのサイズを10月前半に仕入れた。 まずはサケの内臓を取り除いて、しばらく塩漬けにし、一晩かけて塩抜きをする。下処理が仕上がり具合を左右するという。その後に干して乾燥させる。 今年は11月下旬から80本を干しており、現在2週間近くが経過した。冬の味覚らしく、冷え込みが強まるほどに、ぎゅっとうま味が凝縮する。5日以降に販売できる見通しだ。 酒井博専務は「ここ数日で寒さが増して冷たい風に当たり、いい仕上がりになってきた。原料にも恵まれて、例年通り良質な新巻きザケができそうだ」と話した。来週には、残る80本の仕込みを始める予定。 注文や問い合わせは、山千岩村商店=電話0178(33)3155=へ。
デーリー東北新聞社