学区外からも通える学校選択制の小学校 「小規模特認校」制度を来年度から導入 児童数の減少により2028年度以降に想定される「複式学級」を回避したい 愛知・豊川市
愛知県豊川市は、児童数の減少が続く同市萩町の豊川市立萩小学校を、来年度から「小規模特認校」に指定し、学区外から児童を受け入れる取り組みを進めています。豊川市での指定は初めてとなります。 「小規模特認校」とは、児童・生徒数が減少し統廃合が危惧される小中学校を市や町などの自治体が特認校に認定し、その運営も自治体が行うものです。通常、文科省の定める学校教育法に基づき、各市町村の教育委員会が、地域の実態を踏まえて通学区域を設定し、児童や生徒が就学する学校も指定しています。しかし、保護者の意見を聴取したうえで、弾力的に学校選択制を適用し、各市町村の教育委員会が通学区域、就学する学校を認定することができるということです。
萩小学校のある豊川市の音羽地区は人口減少が進み、現在の全校児童数は48人。このまま児童数の減少が進めば、2028年度以降、学年の異なる児童が合同で授業を受ける「複式学級」になる事態が想定されます。 愛知県の基準として、複数学年の合計人数が14人以下(小学1年生を含む場合は7人以下)の場合、複式学級を編成すると決まっています。萩小学校の場合は、2028年度以降に3、4年生の合計人数が継続して14人以下になる予定で、「複式学級」を回避するため、検討を重ねた結果、豊川市教育委員会は来年度から萩小を小規模特認校に認定するに至ったということです。そのため、豊川市は、市全域からの新入学や転学の児童募集を行います。 豊川市内に住所があるほか、原則として年度途中の転学は不可で、1年以上の通学が条件。加えて、保護者が送迎しての通学が必須となっています。現在、2人の希望者が制度に申請しており、10月31日(木)まで募集を行うということです。 豊川市の担当者は「希望者を増やし、なんとか複式学級を回避したい」と話しています。 問い合わせは、同市教育委員会学校教育課(0533-88-8033)まで。