【J2「最終節」】MF郷家のスライディングシュート決勝点で仙台はJ1昇格PO出場 森山監督が語った“決意”(2)
■真瀬の攻撃参加が先制点を呼び込む
ベガルタ仙台が、J1昇格プレーオフ出場をつかんだ。 J2リーグ最終節が11月10日に同時刻開催され、7位のベガルタ仙台は15位の大分トリニータとのホームゲームに臨んだ。 ■【動画】仙台・MF郷家友太、J1昇格PO出場を決めるスライディングシュート決勝点■ 森山佳郎監督が指揮する仙台は、この試合に勝てば6位以上を確保できる。J1昇格プレーオフに出場できる。 前半はペースを握れなかった。前進していくのに苦労するが、16分に高い位置でのボールダッシュがゴールへ結びつく。相手の縦パスを左MF相良竜之介が身体で跳ね返し、FWエロンがおさめて相良へつなぐ。相良の左サイドからの持ち出しに呼応してチーム全体が前進していき、サポートしたMF鎌田大夢が右サイドへ展開する。 ペナルティエリア内右へのクロスに、猛然とランニングしたのは右SB真瀬拓海だ。相手3バックの脇のスペースからヘディングで折り返すと、相手DFのオウンゴールを誘ったのだった。 前半のうちに先制するのは、前節のロアッソ熊本戦と同じである。そして、熊本戦では前半のうちに追いつかれた。チームは熊本戦を教訓とし、前半を1対0で折り返す。
■仙台は6位でJ1昇格プレーオフへ
後半開始直後に、再び試合が動く。仙台が、動かした。 敵陣右サイドでボールを奪うと、相良がドリブルで切れ込む。ペナルティエリア手前でパスを通すと、DFに当たったボールが詰めていたMF郷家友太の前へこぼれてくる。背番号11はすかさず反応し、右足でゴール左へ蹴り込んだ。 大分は長身FW長沢駿を57分に投入し、攻撃陣の立ち位置を動かしながら攻勢を強めてくる。それに対して仙台は、ソリッドな守備ブロックを構成しつつ、カウンターを効果的に放っていく。最終盤に直接FKから失点したものの、2対1で押し切った。 試合後のフラッシュインタビューで森山監督は、「いやあ、ホントもう苦しい、苦しい、これ以上ないプレッシャーがかかる状況で、選手たちは躍動感を持って戦ってほしいというのを見事に体現してくれました」と、チームの戦いをたたえた。 この勝利で勝点を「61」から「64」に伸ばした仙台は、6位に浮上してJ1昇格プレーオフ進出を決めた。3位はV・ファーレン長崎、4位はモンテディオ山形、5位はファジアーノ岡山である。 前節まで4位の山形と同6位のジェフユナイテッド千葉が激突したサバイバルマッチは、ホームの山形が4対0で快勝した。前半途中でCBが退場した千葉を寄せつけず、9連勝でフィニッシュした。 J1昇格プレーオフ準決勝は12月1日に開催され、山形対岡山、長崎対仙台となった。年間順位上位チームのホームゲームとなり、引分けの場合は年間順位上位チームが勝者となる。 6位の仙台は長崎のホームへ乗り込む。2位の横浜FCと勝点1差で自動昇格を逃した長崎は、リーグ最多の74得点を叩き出した。MFマテウス・ジェズスが18点、FWエジガル・ジュニオが15点、MFマルコス・ギリェルメが12点、フアンマ・デルガドが10点と、外国籍選手が得点力を爆発させている。それでいて、失点「39」は仙台より少ない。 森山監督は「勝つしかないという戦いのほうが、引分けでもいいという戦いよりもやりやすいので、向かっていくだけです」と話す。今シーズンは3節のアウェイゲームで2対1の勝利を飾り、20節のホームゲームは2対2で引分けた。3度目の対戦は、果たしてどのような結果となるか。
戸塚啓
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