柴咲コウも まだ続くか芸能人円満退所に共通する背景
柴咲コウが1日、所属事務所とのマネジメント業務契約が3月末で満了したことから退所、今後は自身が代表を務めるレトロワグラース株式会社でマネージメント業務を行っていくと公式サイトで発表した。また同日、原千晶がやはり長年所属した事務所を3月末で退所したことを発表。さらに先月には米倉涼子が契約満了で事務所退所を発表など、このところ芸能人が所属事務所をやめるケースが相次いでいる。それぞれ直接の理由は異なるかもしれないが、芸能界全般において以前と比べ事務所を退所する芸能人が増えた感は否めない。共通の背景としては何があるのか、芸能プロダクション関係者に取材した。
コンプライアンス問題と事務所のパワーダウン
近年、芸能プロダクションの関係者らと話していると、最近になって変化してきた点として以下の3つの要素があがることが多い。 (1) マネージメントの概念およびマネージャー業務に従事する人の質 (2) タレント(演者)側の意識と質 (3) (1)および(2)の関係性とコミュニケーションの質 どういうことだろうか。老舗芸能プロダクションのマネージャーは話す。 「ウチの事務所にもフリーを経て所属タレントになった者がいますが、事務所に期待すること=仕事を取ってくるetc.との考え方が高じて、『自分だけを』扱ってほしい、見てほしい、という意識を感じることが結構あります。それでやがて、自分だけでもできるのではないか、つまりまたフリーになりそうな段階というか時期を迎えているタレントがいる状況です」 また、別の大手芸能プロダクション関係者は「あくまで個人的な意見です」と断った上でこう語る。 「昨今コンプライアンス問題が表面化したり、プロダクションのスタッフも世代交代で昔ながらの“コワモテ”な人が減って、従来ならブラックと揶揄された類の事務所パワーが落ちたことが大きいと思います。そんな流れも手伝い、若手スタッフの中には過去の芸能的な慣習を知らずか無視するか、事務所ベースのキャスティングをしなくなった面も出てきました。こうした流れから、ある程度の知名度を持ったタレントは事務所にいる意味を感じなくなって、以前よりやめやすくなっているのは事実だと思います。ただ、やたら円満退社をうたうことが目立つんですが、中にはですよ、たとえば利益の何%を何年か入れろよみたいな、なんらかの密約が交わされているケースもまったくないとは言い切れないと思います」