高配当株投資で致命的な「減配」のシグナルをいち早く察知する方法とは?【経済誌元編集長が指南】
長期金利が5%台に乗せたら半分は国債へ乗り換え
高配当利回り狙いの長期投資戦略を大幅に修正しなければならないのは、どういうときか、私なりの考えを述べておこう。 2023年末の日経新聞の記事に、バフェットの投資会社であるバークシャー・ハサウェイ社が7~9月にかけて株式7,800億円を売却し、手元資金が過去最高水準に達したと記されていた。 その理由については、バフェットが将来の暴落に備えているのではないかとの観測も出ているようだが、実際は米国の金利が5%に上昇してきたので、米国債投資が相対的に有利になり積極的に買い込んでいるということらしい。 こうしたバフェットの投資行動は、私たちにも参考になる。業界トップの高配当利回りは現在3~4%前後で推移している。 もし日本の長期金利(国債の金利)が4%を超える水準になれば、バフェットのように持ち株の半分は換金して国債や優良企業の社債に乗り換えることをお勧めしたい。減配や価格変動などのリスクを考えると、株式投資よりも債券投資のほうが相対的に有利になるからだ。 そうすると、半分は従来どおりの株式による高配当利回り+長期的な値上がり益、残りの半分は国債や社債によるさらに高い配当利回り+元本の安全確保(満期まで保有した場合)という分散投資のメリットが享受できる。 ただし日本の長期金利4%が視界に入ってくるのはかなり先の話だと思う。かつて、長期金利が4%前後で推移していたのは、1980年代後半のバブルの余熱が残る1993~95年である。いまから30年ほど前だ。デフレ脱却の出口がようやく見えてきた現在とでは、かなり状況が異なる。しばらくは株式による高配当利回り狙いの長期投資を続けていくのが得策といえそうだ。 川島 睦保 フリージャーナリスト、翻訳家 ※本記事は『一生、月5万円以上の配当を手に入れる! シニアが無理なく儲ける株投資の本』(日本実業出版社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。また、投資による結果に編集部は一切責任を負いません。投資に関する決定は、自らの判断と責任により行っていただきますようお願いいたします。
川島 睦保