ジュビロ川島永嗣が示す真のプロフェッショナリズム。こだわり抜いた“基準”でチームをさらなる高みに
「僕が何かを言うよりも...」
長年、プレーの細部にこだわり、高みを追い求めてきた川島の姿勢は、チーム全体にとって大きな助けになるはず。彼と同じ基準や目線で戦えるようになって初めて、磐田は大きな目標を達成できるのだ。 結局、磐田は昇格初陣を0-2で苦杯。J1王者の強度やスピード、攻守の切り替え、個々のタレント力を見せつけられる格好になった。 ただ、開幕戦で最高レベルを体感したことは、今後のJ1への適応を考えると大きなプラス。それは川島も強調していた点だ。 「僕が何かを言うよりも、今日、自分たち自身がピッチ上で感じたことが一番。フィジカル的なところや当たりだったり、プレッシャーの速さを目の当たりにして、どんな判断ができるかは非常に大切なこと。そこで自分たちを伸ばしていかないと、より厳しい戦いになってしまう。賢く戦わなければいけない部分は確実にある。試合を通して成長していかなければいけないと思います」 百戦錬磨の守護神の発言は、平川や大卒ルーキーの植村洋斗らJ1経験の少ない面々も痛感した部分ではないだろうか。 「熊本時代は自分がキャプテンをやって、チームの結果に対しての責任も感じながらプレーしてきたので、ここでももっともっと責任感を出してやっていく必要があると思います」と平川が言えば、植村も「去年のJ1王者といきなりやれて、課題も自信になった部分もあった。自分は失うものがないと思うので、どんどんチャレンジして成長していきたい」と前向きな姿勢を示していた。 彼らを筆頭にチーム全体がJ1基準に気づき、ピッチ上で体現できるようになれば、残留も見えてくる。そこは改めて肝に銘じるべきだ。 川島はキャンプの練習時から一番大きな声を出してチームを盛り上げ、プレーの厳しさを示してきたという。コンディション維持や準備、ケアなどオフ・ザ・ピッチの部分でも真のプロフェッショナリズムを見せている模様だ。そういった「生きる模範」を間近で見ることは、磐田の面々にとって最高の学びになるに違いない。 数々の修羅場をくぐってきた男を中心に、磐田が目に見えるレベルアップを遂げ、シーズン終盤には上位とそん色ない戦いができるチームになっていれば、横内昭展監督にとっても理想的。まずは3月1日の次戦・川崎フロンターレ戦に期待したいところだ。 取材・文●元川悦子(フリーライター)
【関連記事】
- 「めちゃくちゃ安定してる」14年ぶりJ復帰! ジュビロGK川島永嗣の開幕戦プレー集が話題!「やっぱ特別な選手」
- 「若い選手から学ぶこともある」“40歳のチャレンジャー”川島永嗣は新天地ジュビロに何をもたらすか「ピッチの中では厳しく、外ではみんなと笑顔で」
- 長谷部誠&川島永嗣が、ロッカールームで若き代表戦士にかけた言葉。細谷真大は「一日一日を大事に取り組んでいきたい」
- 「日本語を覚えてチームメイトを怒鳴りたい(笑)」磐田新加入のブラジリアンたちに期待大!「どんどん仕掛けていきたい」
- 「優勝を目ざしますと簡単に話すこともできます。ただ...」磐田の新体制発表会見で横内監督が掲げた目標は?「まずは勝点40」