鉄のマチ室蘭を代表する土産「ボルタ人形」 人手不足で生産が追いつかず 製作体験は休止
鉄のマチ室蘭を代表する土産「ボルタ人形」を製作するNPO法人テツプロ(輪西町)が、人手不足で生産が追いつかない状況が続いている。製作スタッフの高齢化や新型コロナウイルス禍を機に離職が相次ぎ、スタッフがピーク時から半減以下に。今月からは、人形を製作するボルタ工房内直営店(同)の営業時間を短縮し、観光客に人気の製作体験を休止する事態となっている。 ボルタ工房の直営店で販売されているボルタ人形 ボルタ(900円~)は、ボルトやナットなどを組み合わせて、楽器を弾いたり、スポーツをする高さ5センチほどの人形。同法人の前身の市民団体が2004年、輪西町でのイベントの体験溶接として製作した人形が始まりだ。05年に土産用に販売すると人気を集め、06年に製作スタッフを16人体制としてからは安定的に生産してきた。これまで製作したボルタは140種類を超える。 しかし、採用時すでに65歳前後だったメンバーは、この5年で3人が引退。加えて、コロナ禍で注文が激減したときに、さまざまな事情でメンバーが10人以上離職した。このため、スタッフは現在6人だけになり、ピーク時、年3万個生産していたボルタは現在、1万2千個程度しか作ることができないという。