コーヒー焙煎、大当たり 三重・松阪 高齢男性の参加「0」→「3割超え」に
五反田町自治会のサロンで企画
高齢男性の地域サロンへの参加を促そうと、三重県松阪市の五反田町自治会(村田進会長)は29日午後1時半から、同町二丁目の五反田集会所で「コーヒー焙煎(ばいせん)を通じて集いの場」を開いた。介護予防や住民同士の顔の見える関係づくりを目指してサロンを開いても「女性がほとんど」という状況を変えようと男性が興味を持ちそうな企画を考えた。結果、全参加者のうち男性が3割以上を占めた。同会や、共催の市第五地域包括支援センター(飯田陽子センター長)は手応えを感じつつ、今後も魅力的な内容を考えたいとしている。
介護予防や地域顔見せが目的 女性だけでは…と改善策
同会のサロンは2015(平成27)年4月、五反田集会所の新築を機に地域住民の交流の場づくりを目的に始まった。現在は市の介護予防事業で月4回、運動を柱に脳トレやゲーム、歌、ゲストを呼んでのショーやマジックなどテーマを変えて開いている。毎回、20人から28人程度が参加するが「ほとんど女性」「男性はゼロのときが多い」という状況だった。 そこで同センターが、引きこもりがちな男性が興味を持ちそうなコーヒーの話と、おいしい入れ方をテーマに開くことを提案して話が進んだ。同センター職員が広域での研修に参加した際、コーヒーの健康効果を含めて男性が集まりやすいとの事例を耳にして実践した。 この日は50~80代の男女36人が集まり、男性は13人が参加した。講師は小黒田町の「世界の珈琲専門店JUN ROASTER」のマスター・濵井場敏夫さん(76)=同町=で、豆の産地や種類、特徴などの話を聞いた。ひいた粉はお湯で蒸らして、お湯は何回かに分けて注ぐことなどを教わった。 これを受けて参加者たちは、四つのテーブルごとに焙煎豆をミルでひき、フィルターやドリッパーなどを使ってそれぞれの一杯を抽出。ミルでひく際は、「早過ぎ早過ぎ」「もっと力を入れないと」「あんた上手やなあ」などの声が飛び交っていた。味わう際は「かんぱーい」「いただきまーす」などと元気な声が響いた。 初めてサロンに参加したという山口陸生さん(67)=五反田町=は「皆さんと楽しく過ごさせてもらいました。次も機会があれば出てきたい」と話した。母親の山口やすゑさん(89)=同=も「ひきたてのコーヒー、とてもおいしかったです」と笑顔を見せた。 サロンの立ち上げから携わる田中弥栄子さん(70)=同町=は「予想以上に盛り上がりました。第二弾、三弾と続けていきたい」、同センター職員も「こんなに男性が集まるサロンは初めて。大成功と言えると思います」と話した。