マネーストックM3、10月は+0.7% 利上げで定期預金に資金流入も
Takahiko Wada [東京 12日 ロイター] - 日銀が12日発表した10月のマネーストック速報によると、M3の平均残高は前年比0.7%増の1601兆2000億円となった。伸び率は前月と変わらず。前月は2008年12月以来の低い伸び率となっていた。消費の緩やかな増加や法人の税金支払いが重し。日銀の利上げで定期預金金利が引き上げられた結果、預金から資金がシフトし、定期預金を含む準通貨は0.2%増の489兆2000億円と16年2月以来のプラス転換となった。 内訳で、預金通貨は前年比1.9%増の975兆8000億円となり、10年6月以来の低い伸び率。現金通貨は2.4%減の112兆4000億円で04年の統計開始以来最大のマイナス幅となった。 M2は1.2%増の1249兆8000億円で、伸び率は07年4月以来の低さとなった前月から変わらず。残高は6カ月連続で減少した。 広義流動性は3.2%増の2182兆8000億円。広義流動性のうち、外債は10.8%増の33兆1000億円。資金が流入し、伸び率が拡大した。国債は27.2%増の30兆6000億円。伸び率は前月を下回ったが、個人向け国債の購入増で20%を上回る増加率が続いている。広義流動性の速報値はデータが集まらない計数もあり、来月以降に値が修正される可能性がある。 *日銀の発表資料は以下のURLをダブルクリックしてご覧下さい。 マネーストック: http://www.boj.or.jp/statistics/money/ms/ms2410.pdf