【備えのツボ特別編】能登半島を2度襲った激甚災害、南海トラフ地震臨時情報に災害級猛暑…減災への意識を
岡山放送
シリーズでお伝えしている年末回顧。4回目は防災力アップを目指すコーナー、「備えのツボ」の特別編です。2024年に発生した自然災害をキーワードで振り返ります。防災担当の森岡記者です。 (森岡紗衣記者) 「今年の自然災害を語る上で避けて通れないのが、1月の「能登半島地震」です。元日、石川県の能登半島で最大震度7の揺れを観測する大地震が発生しました。地震からまもなく1年、現在の石川県の様子を取材しました」 11月16日の石川県、能登半島です。主要な道路は使えるようになっていたものの完全に補修はできておらず、道路が隆起している場所が多くありました。地震の影響で大規模な火災があった輪島市の朝市周辺は、ところどころ建物の解体が進められ、周辺には更地が広がっていました。 2024年9月の豪雨災害で「2度目」の被災をした集落。倒壊した建物の周辺には土砂が流れ込み、地震と大雨の二つの爪痕が色濃く残っていました。 地震発生から間もなく1年。被災地には未だ多くの課題が残されています。 能登半島地震では水道管の破損などが原因で最大で約13万5000戸の広い範囲で長期間断水が発生しました。これを受けて国は、全国の水道管などの耐震化率調査を行いましたが、岡山・香川にとって衝撃的な数字が明らかになりました。 避難所や医療機関など災害時に重要な拠点となる施設で上下の水道管がともに耐震化されていたのは、香川県が0%、岡山県が0.5%でした。これは全国的に最も低い数値です。国は来月をめどに耐震化計画を策定するよう呼び掛けていますが、改めて地域に住む私たちが災害を自分事にとらえ、防災の現状を知ることが重要です。 続いてのキーワードは、8月に初めて発表された「南海トラフ地震臨時情報」です。8月8日、宮崎県沖の日向灘を震源に発生した地震で宮崎県南部では最大震度6弱、岡山・香川でも広い範囲で震度2を観測しました。 この地震の影響で、大規模な地震の可能性が平常時と比べ相対的に高まっているとして、気象庁は「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を初めて発表しました。呼びかけは1週間で終了しましたが、改めて身の回りの備えを見直すことが大切です。 続いてのキーワードは8月21日に発生した「台風10号」です。「史上稀にみるノロノロ台風でした」進路が読みにくく、岡山・香川でも交通機関の乱れなど大きな影響がありました。 香川県では初めての線状降水帯が発生し、東かがわ市で1時間に約110ミリの猛烈な雨を観測しました。一方、広い範囲で避難指示などが出され、岡山・香川で大きな被害はありませんでした。 2024年はずばり、「過去最も暑い夏」であったと言えます。岡山・香川でも24年に記録した最高気温が、35度以上の猛暑日の日数は岡山市で47日、高松市で48日と統計開始以降最多となりました。 12月に発表された「今年の漢字」では「暑」も8位にランクインしていて注目度が高かったです。こうした中、危険な暑さが予想される前日に注意を呼び掛ける「熱中症特別警戒アラート」の運用も新たに始まり、2024年は「暑さから命を守る」という意識をより一層高めるきっかけとなりました。 2024年は各地で大きな災害が発生した1年でした。必ず起こる災害に対して私たちの備えも変化を感じる1年でした。2025年は災害を教訓に、減災に繋げられる1年にしたいものです。
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