九州ひぜん信用金庫 元役員が着服 24年間で3950万円、定期預金証書を偽造
九州ひぜん信用金庫(本店・武雄市)は24日、元役員の男性が本島支店(長崎県佐世保市)の顧客5人の定期預金約4千万円を着服していたと発表した。2000年4月から着服を繰り返していて、同信金は刑事告訴を検討中としている。 同信金によると、今年3月に顧客の1人が男性に預けた定期預金を解約しようとした際、入金データが残っていないことや証書の偽造が発覚した。内部調査で男性は着服を認め、ギャンブルや飲食など遊興費に使ったと話したという。 男性は合併前の西九州信用金庫の役員で、被害に遭った顧客の定期預金を長年担当し、退職後も連絡を取り続けていた。顧客から預かった金を支店に入金せずに偽造した証書を渡していて、支店ではその顧客の定期預金自体を把握していなかった。 顧客5人の被害金は男性側が430万円を返済し、残金は同信金が支払った。男性の残りの返済はめどが立っていないという。同信金は「不祥事を真摯(しんし)に受け止め、管理態勢の充実強化を図り、役職員一同、再発防止に努める」などとしている。(澤登滋)