別居はしても離婚しない…一つ屋根の下に「いない」のに離婚しない夫婦の“生々しい事情”
バリキャリ妻がヒモ夫に“三くだり半”
真麻さん(42歳、仮名)は、外資系企業で働くバリキャリ女性。夫の翔さん(42歳、同)はフリーのフラワーコーディネーターで稼ぎが少なく、一家の大黒柱は真麻さんです。 真麻さんの熱烈アタックで結婚したこともあり、二人の関係は翔さんが上。夫の方は、時間が自由で家にいることが多いのに家事はせず、花ばかりいじっています。真麻さんは2人の子どもを私立の学校へ通わせるために、日々忙しく仕事をしながら家事もこなしていました。 当然、二人の仲はどんどん険悪になり、浮世離れしている夫に「離婚しよう」と毎日のように言うように。根負けした翔さんは、子どもたちに「離婚する」と伝えました。すると、2人の子どもたちが「パパもママも好きだから、お願いだから離婚しないでほしい」と泣きます。その姿を見て、真麻さんは離婚を思いとどまりましたが、気持ちは収まりません。 苦肉の策として、「今の家は狭いから」という理由をつけて格安のアパートを借り、夫に平日はそちらで寝泊まりしてもらうようにしたのです。子どもたちはそれぞれの部屋ができて、父親とも週末に会えるので満足。真麻さんも、夫と毎日顔を合わすことがなくなり、ストレスがなくなりました。 「土日も仕事をしたり、習い事に行ったりと家にいないことが多いので、夫と顔を合わすことがなくなり、今は本当に快適です。子どもたちが巣立ったらどうなるか分かりませんが、今はこのままで満足です。でも、もし新しい彼氏ができたら不倫ってことになるのかなあ」 わがまますぎる朝子さんと、臨機応変に対応する真麻さん。2組のケースの別居理由は違いますが、「一緒の空間にいないだけでストレスがなくなる」点は一致しています。(実は朝子さんはその後、不倫がバレてもめています) 別居をすると、たまに会うときに優しくなれたり、反省点が見えたり、ほれ直したりして関係が改善するケースも多くあります。必ずしも、別居の果てに離婚があるわけではないのです。 現在、「離婚をしたい」とモヤっている人は、気持ちのリセットとして、期間限定の別居にトライしてみることは一つの選択肢になります。リカバリーできるか、リセットの決心ができるか、別居はあくまでも人生の岐路のお試し形態と考えてみてください。
「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美