誰しもが魅了される北アルプスの大自然（写真提供：松本市アルプス山岳郷）

　4月27日に上高地で行われた「第54回 上高地開山祭」。山の安全を祈る開山祭を機に、北アルプスの本格的な登山シーズンが今年も始まった。 ◆【画像】「貴重な写真がここに」大正から令和へ! ありし日の槍ヶ岳山荘をプレイバック（写真13枚）） 　その北アルプスの上高地、岳沢周辺で6月22日（土）～ 23日（日）にかけて開催されるのが「Kita Alps Recurrent Hike」。通常の登山ツアーというわけでなく「北アルプスの自然の裏にある、山岳に携わる人々の努力や想いを知り、自分が楽しむだけではない、登山を多方面からの視点で考え、学んでいく」というテーマで企画されている。

■地域の協力が安全で楽しい登山を支えている

ガイドとともに北アルプス、上高地への理解を深める

　北アルプスは標高も高く、険しい山々であるにも関わらず、登山道が整備され歩きやすくなっている箇所が多い。 　それは山小屋、行政、協議会、事業者など多くの山岳関係者が整備に係わっているから。しかし、整備された登山道が当たり前となり、そこに多くの方々の時間と労力が費やされていることを忘れてしまいがち。 　このKita Alps Recurrent Hikeツアーでは、ガイドと共に北アルプスの登山を楽しみながら、その歴史的な背景、国立公園としての歩み、山々に携わる人々の努力や想いを学び、多角的な視点で北アルプスを初めて知る、または見つめ直すという機会を得ることができる。

■さらなる環境保全、そして安心、安全な登山を目指して相互理解を深める機会

地域や自然への理解が深まれば、登山はもっと楽しいものとなる

　北アルプスのある中部山岳国立公園南部地域を中心として、長野県の松本から岐阜県の高山エリアをひとつの山岳観光圏として発信していくというプロジェクトがこのツアーの原点となっている。 　昨今、国内外を問わず、山岳利用者が増加するなか、登山マナーや山小屋への理解、自然環境保全など様々な課題があるのも事実。受け入れる地域側としても、最大限、安心、安全な登山を楽しんでもらいたいと考えているが、山岳地域という自然環境下では対応できることへの限界もある。こういった状況の中では、双方の協力や相互理解が持続可能で楽しく、安全な登山へとつながっていく。 　このツアーでは、ガイドから通常の登山ツアーでは聞けないような自然の裏側にあるストーリーを知ることができ、我々、利用者が地域による、どのような協力のもとで自然、登山を楽しむことができるのかという意識や理解を深めることができる。そして、これからの登山、北アルプスをより楽しんで欲しいという地域側の想いが込められている。 ●こんな人におすすめ・憧れの北アルプスに挑戦してみたい方、登山を始めてみたいけど、なかなか一歩が踏み出せない方 ・登山歴は中級～上級だが、これまであまり上高地や山小屋の歴史などに触れる機会がなかった方 ・ご家族連れでお子様に登山を通じて自然の大切さや自然の中での営みを知っていただきたい方 *本ツアーは12歳以上のお子様であれば保護者同伴で参加可能 ●「Kita Alps Recurrent Hike」上高地＆岳沢トレッキング2日間ツアー行程＜Day1（6/22）＞ 上高地バスターミナル（12:30発）・・・・・・河童橋・・・・・・・岳沢登山口・・・・・・・・風穴・・・・・・・・見晴台・・・・・・・・西穂高展望所・・・・・・・・小見峠・・・・・・・・岳沢小屋（16:00着宿泊・夕食） ※歩行距離11.5、標高差660m（登り） ＜Day2（6/23）＞ 岳沢小屋（朝食　8:00発）・・・・・・・風穴・・・・・・・岳沢分岐・・・・・・・・嘉門次小屋・明神池・穂高神社奥宮（各自昼食、周辺散策）・・・・・・・・明神橋・・・・・・・・上高地バスターミナル（解散:14:30頃） ※歩行距離17.3　標高差660m（下り） BRAVO MOUNTAIN編集部 登山、スキー、キャンプなど、幅広いジャンルの外遊びに精通した多彩なライター陣が贈るアウトドア情報サイト『BRAVO MOUNTAIN』（ブラボーマウンテン）双葉社刊行のスキー誌『BRAVOSKI』やアウトドア誌『soto』の厳選記事も掲載。人気の山域紹介や注目ギアの使い方など、山にまつわる魅力溢れたコンテンツを展開します。