【大根】「加熱」「生食」「切り干し」どれが一番栄養価が高い?管理栄養士が、比較して解説!
生食でも加熱しても美味しい大根ですが、栄養価に違いはあるのでしょうか?栄養価が高くなる食べ方について紹介します。 <写真>【大根】「加熱」「生食」「切り干し」どれが一番栄養価が高い?管理栄養士が、比較して解説! ■生食の方が栄養価が高い?! 大根には辛味成分である「イソチオシアネート」と消化酵素である「アミラーゼ」が豊富に含まれています。他にもカリウムやビタミンC、カルシウム、葉酸などを含んでいます。イソチオシアネートは胃液の分泌を促したり、解毒作用、殺菌作用、がん予防などの効果が期待できます。アミラーゼは唾液にも含まれており、でんぷんを糖に分解する消化酵素です。どちらも消化を助けるため、胃もたれの症状がある時や油物を食べる時に一緒に食べると良いです。しかし、熱には弱いため効率よく摂取するには大根おろしのように生で食べるのがおすすめです。ビタミンCは皮に近い部分に、アミラーゼは根の先端部分に多いため、生食で食べる場合は先端を使用すると良いですね。ただ、辛味成分も先端の方が多いため、辛みが苦手な方はすりおろした後に少し時間を置くと和らぎます。消化酵素は他にも含まれており、たんぱく質を分解する「プロテアーゼ」、脂質を分解する「リパーゼ」があります。大根一本で糖質、たんぱく質、脂質の消化を助けてくれるとは優秀な野菜ですね! ■加熱して食べるなら切り干し大根がおすすめ 生の大根は加熱すると先ほどの消化酵素は失活してしまい、カリウムや水溶性であるビタミンCは煮汁に溶け出てしまいます。食べる場合は加熱しすぎず、煮汁ごと食べると良いです。煮物で栄養価を高めるなら加工食品の切り干し大根がおすすめです。切り干し大根は乾燥させる過程で栄養素が凝縮されるためカルシウムやマグネシウム、鉄、葉酸やビタミン類の量が増えます。さっと湯がけば歯ごたえのある食感が、しっかりと煮るとやわらかい食感が味わえるのも良いですね。乾物のため日持ちがするのも利点です。 ■栄養価が高いのは根だけじゃない 大根の食べる部分は白い根の部分だけだと思われがちですが、実は根元についている葉の方が栄養価は高いのです。葉は緑黄色野菜にあたり、ビタミンAの前駆体であるβ‐カロテンが豊富に含まれています。β‐カロテンには抗酸化作用があり、老化防止や体がさびるのを防いでくれます。スーパーで販売されている大根は葉が取られているものが多いですが、農産物直売所では葉付きで売られていることもあるので見つけたらぜひ葉付きのものを買ってみてください。大根の葉は青菜と同じように料理に使用したり醤油や砂糖などと炒めてふりかけにしても美味しいですよ。 大根は大根おろしやつま、サラダで生食するのが消化酵素の面では良いですが、沢山食べることは難しいですよね。味噌汁やスープで汁ごと栄養素を摂るのも良いですし、摂りたい栄養素に合わせて色々な食べ方をしてみてください。 【参考文献】 文部科学省:食品成分データベース 高橋書店:あたらしい栄養学 ライター/まつおかあいこ 管理栄養士として保育園、病院での大量調理や栄養士業務を経験。調理経験の中で身に着けた知識をもとに、身近な食材についての記事の執筆を行っている。 協力/NS Labo
NS Labo(栄養サポート研究所)