【東京V】城福監督、次節C大阪戦でJ公式戦500試合目に「この数字を聞いて思うのは」の回答
東京ヴェルディの城福浩監督(63)が、次節26日のセレッソ大阪戦(味スタ)でJリーグ主催の公式戦(リーグ戦、リーグカップ)で通算500試合目の指揮を執る。 2008年のFC東京を皮切りに、ヴァンフォーレ甲府、サンフレッチェ広島と4クラブで監督を務めている。 J1で337試合(123勝99分115敗) リーグカップ57試合(23勝15分19敗) J2で105試合(55勝31分19敗)。 城福監督はC大阪戦に向けた会見を4日、東京・稲城市のクラブハウスで実施。節目の500試合について問われると、こう回答した。 「クラブがそういう数字を拾ってくれたのは、これは切りの良い数字と言えるのか、ちょっと分からないですけど。このクラブでその数字を迎えられるのはすごくうれしいですし、数字を拾ってくれたのはありがたいですけど。自分はまだ戦っている最中の人間なので、それは通過点の1つだと思うし。この数字を聞いて思うのは、それだけいろんな選手と接しさせてもらった。 あらためてそう思いますし、選手が成長してチームが成長することが、自分の存在意義というか、そうじゃないと自分の存在意義はないわけで。やはり選手とともに、彼らがその時その時で、彼らと接する中で、彼らが本当に一生懸命やってくれたからこその今なんだなと思います。 今も自分はまだまだだと思っています。日々、今のシチュエーションの中でチームを作っている最中なので、まだ勉強している最中ですが。10年前の自分が果たして若い選手に自信を持たせてやれたのか、中堅の選手に成長を促せたのか、ベテランの選手の背中を押せたのか。今まで携わってきた選手を思い浮かべると、もうちょっとやれたんじゃないかという思いがすごく強い。 今の自分が十分じゃないですけど、今だったらもうちょっとこうやれたんじゃないかと。その時はそれで精一杯でしたけど。それが配慮なのか、彼らの迷いを払拭させることなのか、勇気を持たせることなのか、分かりませんが。そういう選手たちのことを思い出すと申し訳ないなと、そういう表現がいいのか分かりませんけど、もっとやれたことがあったんじゃないかという思いがあります。 今でもピッチの上で以前携わった選手に会うこともあれば、引退した選手に会いますが、今も心に浮かぶ言葉としては悪かったな、と。本当にもっといいアプローチができたんじゃないかという思いがあります」 さらに500試合の先にどういう目標を持っていくのか、そう問われるとこう続けた。 「1試合、1試合、成長する証しとしては勝つことだと形としてははっきりしていますが、全勝させられる監督はなかなかいないわけじゃないですか。なので選手がこのチームにいて、この監督とやって、年齢が何歳であっても成長を感じさせられる存在でありたい、手助けできる存在ありたいです。 全員にアプローチできるかわかりませんが、そういうふうに思ってもらえる選手が1人でも、接した中でより多くいてもらいたい。ひょっとしたらそれは勝利という結果よりも、指導者としての立場の自分からすると、形ではないかもしれないけど大きな勲章になるんだろうな、と。 ただ結果を出さないとそういう立場にいられないので、とにかく彼らの成長をうながしながら結果をだすことにまい進して、最終的に何を目標にするのかと言われたら僕も分からない。何か到達点があるかというと、おそらくもう少しでも先に行くと足りないものが見えてくる。目の前のことをやるだけですかね。目線を上げた遠いところは考えられていない」 日本人のJリーグ監督としては最年長の63歳。連日、炎天下のグラウンドに立ち、日に焼けた精悍(せいかん)な顔にはエネルギーがみなぎっている。