鬱を告白したルイス・スアレス。サッカー選手を襲う過激なプレッシャー
アルメリアが不名誉なリーガ記録を作った。
先週末のグラナダ戦に引き分けて、28節連続未勝利となったのだ。今季だけに限ると25節勝ち星なしの勝ち点8で当然の最下位。5大リーグで唯一の未勝利のチームでもある。残留圏の17位セルタとの差が12ポイントでは降格確実を言わざるを得ない。
スポーツだから勝てないこともあるのが当然なのだが、先月、『マルカ』紙のインタビューで鬱を告白したルイス・スアレスがいるので、アルメリアのことが気に掛かっている。ルイス・スアレスといえば19-20サラゴサ時代に香川真司のアシストでゴールを量産したので、覚えている日本のファンもいるかもしれない。
今季は開幕から好調で10試合で4ゴールした後大ケガを負い、前述のインタビュー後に復帰したのだが、ケガの再発で今季絶望となってしまった。インタビューによると、勝てないチームと苦しむチームメイトを助けられないことで持病だった鬱が悪化したとのことだったが、今の彼の心境を想像すると辛いものがある。
アルメリアはそれほど悪いチームではない。先日『リーグの権威を失墜させかねない誤審』で書いたようにレアル・マドリー相手にも大健闘している。だが、サッカーは心理状態が決定的な影響を及ぼす。だからこそ、今はどのチームでも心理カウンセラーや精神科医をスタッフに加えている。「また勝てない」と思って戦うとやはり勝てない。結果の悪化が選手の自信を喪失させ、さらに結果を悪化させるという悪循環が、不名誉な記録の裏にあるのだと思う。CLのレアル・マドリーは時に信じられないような逆転劇を連発する。あれと逆のことがアルメリアに起きているのだろう。
プロサッカー選手が鬱を告白することは珍しくなくなった。
かつては、イニエスタがそうだったように、引退後や一線を退いた後(イニエスタの場合はバルセロナを離れた後)に「実はあの時……」と振り返ることが多かったが、最近では現役選手が告白することが増えている。今季だけでも、ルイス・スアレスに加え、久保建英の同僚アレックス・レミロやボルハ・イグレシアス(元ベティス)の名が挙げることができる。
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