青森・統合新病院「39診療科、病床数757」 診療機能の方向性、県と市が有識者会議で示す
青森県立中央病院と青森市民病院の統合新病院を巡り県と市は12日、第7回有識者会議を青森市のホテル青森で開き、新病院が担う診療機能の方向性を示した。診療科目は基本的に両病院にある各科を継承し39診療科、病床数は全757床を計画している。 有識者会議の開催は、統合新病院の整備候補地が同市浜田の県営スケート場一帯に決定してから初めて。診療機能の方針は、両病院の関係者らでつくるプロジェクトチームの意見を踏まえて取りまとめた。 39診療科の内訳は、内科系・外科系や周産期の各診療科に加え、リハビリテーション科、放射線治療科、麻酔科、救急科、総合診療科など。呼吸器内科に感染症科を、外科に小児外科を加えた新たな診療科の設置も検討しているという。 1日当たりの外来患者数(救急患者を除く)は1630~1720人を想定し、診察室は80~85室程度を整備。医療資源や業務の効率化に向け、診察室に診療科を固定しない「フリーアドレス制」で運用するほか、場所ごとに受け付けから会計までを分散して行う「ブロック受付方式」を採用する。 統合新病院は全757床のうち、一般病床が751床(救命救急・集中治療40床、総合周産期母子医療センター33床など含む)で、感染症病床は6床とした。現在の病床数は、県病が584床、市民病院が459床。 5疾病(がん、脳血管疾患、心血管疾患、糖尿病、精神疾患)と6事業(救急、災害、へき地、周産期、小児、新興感染症)といった重点的に取り組む分野については▽包括的脳卒中センターの認定取得を目指す▽周産期専用ドクターカーを整備する▽情報通信技術(ICT)を活用した遠隔診療を行うための設備・機能を整備する-など、さまざまな方針が盛り込まれた。 福田眞作座長(弘前大学学長)は「小児外科の医師を確保できるのか。派遣する大学病院などもっと関係機関の意見を聞いて落とし込んでほしい」と要望。ほかにも「ドクターカーは周産期だけでなく一般の救急でも運用できればメリットが大きいのでは」(村上靖・青森地域広域事務組合消防長)など、委員から多くの意見や質問が挙がった。 このほか、県と市による地域医療連携推進法人を本年度中に立ち上げるため、11月下旬ごろから設立総会や登記などの手続きを順次進めることを説明。県と市は今後さらに検討を深め、ハード面の整備方針や人員計画なども含めた基本計画を本年度内に策定する。