ももクロ佐々木彩夏さん、手紙から始まった震災支援5年 浪江との絆
「ももいろクローバーZ」(ももクロ)の佐々木彩夏さん(28)が、メンバー兼総合プロデューサーとして率いる8人組アイドルグループ「浪江女子発組合」(略称・JA浪江)。結成から5周年となった2024年には、町の「ふるさと応援大使」に任命された。 【一問一答・写真多数】佐々木彩夏さん「ももクロでは見られない光景」 JA浪江への思い 結成のきっかけは、東日本大震災や原発事故で被害を受けた福島県浪江町役場の職員が「町ににぎわいを取り戻すため力を貸してほしい」とももクロのマネジャーに送った手紙。佐々木さんは「ももクロよりも、私個人や事務所の後輩たちの方がフットワーク軽く動けると考えた」と振り返る。 どういうコンセプトなら町民に受け入れてもらえるかを役場職員と話し合った。「町出身メンバーはいないので、少しでも町の要素を採り入れようと、町の花であるコスモスを衣装に落とし込んだり、相馬野馬追(そうまのまおい)や(震災前から町中心部で開かれている)十日市祭などの伝統行事を楽曲のモチーフにしたりしました」 楽曲の歌詞やミュージックビデオには、浪江町のことが多く登場する。町内で「定期大会」と称するライブを重ね、前方に町民エリアを設ける。地道な活動で、町内外問わず「組合員」と呼ばれるファンを着実に増やしてきた。 佐々木さんは「メンバーの中には震災当時2歳の子もいます。私は当時、中学2年生。私より下の世代となると、『そんなこともあったな』とふわっとしたイメージの子もいると思います。東京で震災を経験した1人として、当時のことを伝えたいですし、今の浪江町のことを知ってもらえるよう、もっと勉強させてもらいながら発信していきたいです」と話す。(聞き手・酒本友紀子)
朝日新聞社