桐山漣“光星”、身勝手な母親に遂にブチギレ「もううんざりなんだよ!アンタの息子でいる事が!!」<肝臓を奪われた妻>
伊原六花主演のドラマ「肝臓を奪われた妻」(毎週火曜夜0:24-0:54、日本テレビ系/Huluにて配信)。6月18日放送の第12話で、優香(伊原)の元夫・光星(桐山漣)が、自分を金づるぐらいにしか思わず、親としての愛情も無い母親・聖子(櫻井淳子)に堪忍袋の緒が切れ、溜まりに溜まっていた不満をぶちまけた。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】 「肝臓を奪われた妻」人物相関図 ■肝臓を奪った元夫とその家族への復讐と共に、再び愛を信じて生きていく成長物語 本ドラマは、LINEマンガで配信中の、国内累計閲覧数が1億3300万ビュー(※2024年2月時点)を超える大人気の同名ウェブトゥーンが原作。自分がただの肝臓移植のための道具だったと知った優香が、肝臓を奪ってすぐに自分を捨てた夫とその家族に復讐の炎を燃やすストーリー。 しかし、ただの復讐劇ではなく、他人を信じられなくなった自分を支える周りの人々や守るべきわが子のために、再び愛を信じて前を向いて歩いていく優香の成長物語にもなっている。 ■「おすそ分け、でしょ?」 光星は、優香の息子・結人(近江晃成)を自宅へ連れ去った。自分の食べているケーキを光星にあげようとする結人に、彼は「簡単にあげようとするな。奪われるばかりの人生になるぞ」と言い、結人のケーキのイチゴを取って食べた。「隙を見せるオマエが悪い」と言う光星に対し、結人は「おすそ分け、でしょ?」と笑顔を見せ、ケーキの皿ごと「どうぞ」と、彼に差し出した。自分の物を何の見返りも無く他人に与える事は、彼の人生には無かった事だ。 優香と小栗(戸塚純貴)が来て結人を連れ帰り、1人になった部屋で、ケーキの皿を眺めながら物思いにふけっていると、光星の携帯が鳴った。母・聖子からだったが、彼は敢えて電話に出なかった。 ■光星をATMがわりにする母・聖子 連絡がつかないことに業を煮やした聖子が、光星のオフィスにやって来た。彼の顔を見るや否や「どうして電話に出ないのよ!」とキレる聖子。「どうせカネでしょ」と冷たい光星に、彼女は1000万円を無心し、大企業の役員なんだからケチケチするなとまで言い放った。聖子にとって光星はATM。自分が贅沢をする為に彼を育ててきたと言っても過言ではない。 求めるままにカネをくれる光星に、感謝も申し訳なさも無い聖子に対し、彼は、「僕がここの席に座るのに、どれだけ大変だったか分かる?少しでも考えてくれた事、ある?」と問うた。聖子はそれには答えず、気まずそうに目をそらした。 ■賢三に絶縁された弘子、睡眠薬を大量摂取 そこへ、妹の弘子(加藤千尋)が病院に運ばれたとの知らせが。賢三(田村健太郎)に婚約破棄された彼女は、どうにか賢三の心を繋ぎ止めようと、このところ必死だった。だが、弘子を含め中村家の人間が優香を騙して肝臓を奪った事を知った賢三は「人間のやる事じゃない!」と怒り心頭。会社にやって来た弘子に「キミと結婚しないで本当に良かった。今度近づいたら警察を呼ぶ」と、絶縁宣言。玉の輿に乗る事以上に、実は賢三を愛していた彼女は絶望し、睡眠薬を大量摂取したのだった。 ■今までの不満が一気に溢れ出した光星 妹を心配して慌てて病院に向かおうとする光星を、聖子は「まだ話は終わってない」と引き止めた。娘よりカネ…光星は幼い頃、聖子が男に絡みつきながら「母親なんてもうウンザリ」と言っていた光景を思い出し、「アンタって人は、ちっとも変わらないな…」と吐き捨てた。これまで従順だった息子から「アンタ」呼ばわりされた聖子はビックリ。そして彼は、黒田(原田龍二)は詐欺師である事に全く気付いていない母親を「バカだ」と責めた。 これまで聖子に対してガマンしてきた事が爆発して止まらなくなった光星は、自分が聖子の為にどれだけ犠牲になってきたかを訴えた。母親が自分に関心を示すのは、自分が贅沢できると分かった時だけ。光星が令嬢とばかり付き合ってきたのも、聖子が喜ぶ顔が見たかったからだ。前妻・るり子と結婚したのも、今の地位が欲しかったから。そこに愛は無かった。 ■「アンタのせいで、人生を自由に選べなかった」 そんな彼が、初めて自分の意志で「会いたい」と思ったのが優香だ。損得勘定無く自分と向き合ってくれる優香は、彼にとって初めてのタイプの人種で、些細な事でも喜び、笑顔を見せる優香に魅かれたのだ。「結婚しよう」と言ったのは、肝臓が欲しかったからではなかったはずだ。だが、母親ファーストだった当時の彼は自分の本心に気付けず、優香をあっさり捨てた…。 「アンタのせいで、人生を自由に選べなかった」と、目に涙を溜めて訴える光星にうろたえながら「いい子でしょ?ママの言う事聞いて」と言う聖子。そんな彼女を突き飛ばし、「もううんざりなんだよ!アンタの息子でいる事が!!オレの前から消えてくれ!」と、光星は怒りをぶつけた。ショックのあまり発作を起こして倒れ、ピクピクと痙攣する聖子を見ながら大笑いする光星の顔は、泣いているようにも見えた。 ■光星もある意味、かわいそうな人間 光星が優香にした事は決して許される事では無いが、彼もある意味、聖子の犠牲者だ。愛が何なのかを知る事もできずに育った可哀想な人間。もっと早く母親の呪縛から解かれていれば、優香と結人との幸せな人生を歩めたかも知れない。 しかし彼は、愛し方を知らず、謝る事も出来ない人間に育ってしまった。いくら望んでも、もう優香と結人とは「家族」には戻れないし、優香にとって光星はもう忌まわしい存在でしかないのだ。 次週、最終回、光星への復讐の切り札を手に入れた優香が彼とどう向き合うのか、そして光星が優香にしてきた過ちを認めて心から謝り、彼も前を向いて正しい人生を歩めるようになるのか…2人の関係を最後まで見届けたい。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部 ※桐山漣の「漣」のしんにょうの点は一つ