<ファーストサマーウイカ>「光る君へ」定子の死後、ききょうの“心変わり”のワケ 「一条天皇をつなぐ鎖になればいいと」
「没落していく中関白家を横目で見つつ、このまま定子様や、定子様が守ろうとしたものたちが消えて、彼女の人生が何もなかったことになるのが、ききょうにとってはいちばん解せなかった」とも説明。
政務に復帰した伊周は、ききょうの書を一条天皇に渡し、後世、その書物は「枕草子」と呼ばれ、やがて1000年後も語り継がれる名作となる。ファーストサマーウイカさんいわく「自分(ききょう)が定子様にできる最後の仕事」だった。
「定子様が皇子を産め、皇子を産めとあれだけ言われて、産んで、命をかけて守ろうとした家ではあるのですが、このとき、ききょうはもう『この人たち(伊周ら)には任せておけない』とどこかで思っているんです。一条天皇の心を定子のところに引き留めておけば、きっと大丈夫だろうとも考えていて、これが最後の頼みの綱、というか、一条天皇をつなぐ鎖になればいいと。当初の『枕草子』は、定子のためだけに書いたつもりだったけど、役割が変わって、いかに定子やそれを取り巻く環境がすごかったかを書いて、後世に残すこと。自分が定子様にできる最後の仕事、命を使って果たす、これこそが使命だと思ったんだなと。事実、それが1000年残っているって、本当にかっこいいなと思っています」