「ブラック企業大賞」の実態と企業の反応は?
では、ブラック企業大賞に選ばれたり、ノミネートされたりした企業は、どのような反応を示しているのだろうか?実行委員会では、ノミネート企業には、郵送あるいは訪問によって、ノミネートされた旨を告知する。さらに、往復はがきで授賞式への出席を招待する。しかし、過去3年のノミネート企業(のべ29社)のうち、ほとんどの企業は黙殺、返事は返って来ていないという。ただ、「SHOP99(現ローソンストア100) 」と「東急ハンズ」の2社だけは、「欠席します」旨の返事を送ってきたそうだ。大賞の受賞企業には、書面で知らせているが、過去3年の大賞受賞3社(東京電力、ワタミ、ヤマダ電機)からは、いずれも何も反応はなかったという。 「ブラック企業大賞」にノミネートされることは、密かに多くの企業の恐怖の的になっているようで、企業としては関わりたくないのが本音に違いない。実際、ヤマダ電機に電話やファクスで取材を再三申し込んだが、19日現在まで回答はない。 もちろん、この「ブラック企業大賞」によって、企業が労働環境を改善するきっかけになるに越したことはない。が、逆に企業側が「名誉毀損」などと反発し、訴えられるリスクはないのだろうか?内田さんは「訴えられる可能性は認識している。が、企業としては、それをやると逆に世の中で話題になり、さらなるイメージダウンになるのでは。訴訟は望むところ。もしそうなれば、きちんと対応して大いに主張します」と息巻いている。 (文責・坂本宗之祐)