これで遊牧民の生活は成り立つのか……中国政府が牧草地を没収、保護区に
オロション・ゴルは完全に凍り、車は川の上を走った。車で川を渡った際、ウジムジさんは私に驚きの話をした。 彼女によれば、この川辺の草原を国が没収し、オロション・ゴル保護区にすることになったという。面積はどのくらいかまだよくわかっていないが、川沿いに生活している家庭でそれぞれ1~2割の牧草地が削られることは確実らしく、もっと広い牧草地を失う家族もいるらしい。その牧草地に対し、国が面積に応じて補助金を払うという。 保護区にすることは喜ばしいことだが、牧草地はますます狭くなり、遊牧民として、生活が成り立つのかどうか、みんな心配している。 ※この記事はTHE PAGEの写真家・アラタンホヤガさんの「【写真特集】故郷内モンゴル 消えゆく遊牧文化を撮る―アラタンホヤガ第9回」の一部を抜粋しました。
---------- アラタンホヤガ(ALATENGHUYIGA) 1977年 内モンゴル生まれ 2001年 来日 2013年 日本写真芸術専門学校卒業 国内では『草原に生きるー内モンゴル・遊牧民の今日』、『遊牧民の肖像』と題した個展や写真雑誌で活動。中国少数民族写真家受賞作品展など中国でも作品を発表している。 主な受賞:2013年度三木淳賞奨励賞、同フォトプレミオ入賞、2015年第1回中国少数民族写真家賞入賞、2017年第2回中国少数民族写真家賞入賞など。