『おっちゃんキッチン』は世代間のギャップを埋めるドラマ? 北村一輝が魅力を語る
配信が開始されたTVerオリジナル新番組『おっちゃんキッチン』の主演を務める北村一輝よりインタビューコメントが公開された。 【写真】18~59歳の有職者男女を対象に、世代の異なる相手とのコミュニケーションについての意識調査結果 株式会社TVerとKDDI株式会社によるコンテンツ共同制作プロジェクトの第1弾作品となる本作は、横型動画をTVerで、縦型動画をTVer公式SNS(TikTok、YouTubeShorts、LINEVOOM、X)で、それぞれ視点の異なるストーリーとして展開される。 北村一輝演じる“おっちゃん”店主が営むこぢんまりとした居酒屋を舞台に、“おっちゃん”と世代の異なる客との一見かみ合っていないコミュニケーションを通して、世代間コミュニケーションのアップデートを描く。「おっちゃんキッチン」にはさまざまな悩みを抱えた客が来店する。 TVerでは、18~59歳の有職者男女を対象に、世代の異なる相手とのコミュニケーションについての意識調査を実施。年下の相手とのコミュニケーションにおいて、『おっちゃんキッチン』の“おっちゃん”と同世代である40代男性の2人に1人が、自身が「厄介な存在になっていないか不安」と解答。特に不安を感じるシーンは「年下の人に対して、“(自身が)言わなくていいことを言った”と思ったとき」。他の世代と比較して、「年下の人たちの流行に関する話についていけなかったとき」(全体平均比較+9.3pt)、「年下の人に、“気持ち、わかるよ”と声をかけたとき」(全体平均比較+10.3pt)なども上位に挙がり、自身の言動や態度が年下の相手からどう見られているのかを気にしていることが分かる結果となっている。 一方、Z世代を対象とした、年上の相手とのコミュニケーションについて感じていることの調査では、半数以上が「もっと良好な関係を築きたい」と解答。ただし、年上の相手に対して「どんな話をしたらいいか分からない」と悩んだり、「自分の話をもっと聞いてほしい」と感じたり、Z世代も世代の異なる相手とのコミュニケーションに不安を感じていることが分かった。 社会学者・常見陽平は、「アラフォーも若者も、違う年齢層とのコミュニケーションが不安ではあるが、交流したい・ 嫌われたくない」と上記のデータを分析している。 主演の北村はそんな世代間のコミュニケーションを描いた本作について、「“今の時代の本音”が見えるミニドラマになると思うので、若者の本音を知りたい方にはぜひ観ていただきたいです」とコメントを寄せている。 北村一輝(主演)コメント 撮影を終えての感想 TVerでミニドラマのような新感覚の作品を作りたいと伺って、「おもしろそうだな」という思いと、時代が変わる中で「新しいジャンル、新しいことに挑戦したい」という気持ちがあったので、ぜひ参加したいと思って引き受けました。特に「普段はバラエティを制作されているチームがこのミニドラマを担当される」という点にも一番興味がありました。実際に撮影に入ると、やっぱり映画・ドラマの現場と、バラエティ制作の考え方や進め方とでは勝手が違うのが新鮮で、逆に楽しんでいます。 TVerでは横型動画、SNSでは縦型動画で見られることについて 僕は海外の縦型ドラマにハマって「課金しようか」とか考えたりするタイプです(笑)。今作も続きをすぐに見たくなるようなものになればいいなと思っています。僕の役は野球のバッテリーでいうとキャッチャーで、毎回違うお客さんがぶつけてくる愚痴や意見を、ただただ受け止める。役者としていろいろなお芝居が試せるので、もし僕が若い頃にこういう作品があったら楽しかっただろうなと。結果的に(番組が)おもしろくなきゃいけないとは思いますが、若い俳優さんにもどんどん楽しんでやってほしいなと思っています。 視聴者へメッセージ 若者の“本音”が描かれる作品になっていると思っています。何かを否定したいわけではないけれど、言論の自由があるようでなかったり、生きづらさを感じるようなこの時代に一番言葉を発したいのは若者だったりすると思うんです。だからこそ、僕は若者の言葉がすごく重要だと思っていて、そこには間違いがあるかもしれないけれど、そもそも“正解”だけが良いものなのか。勢いであったり、何か考えさせられるものもあると思うので、そういう言葉を僕も引っ張り出したいなと思っています。“今の時代の本音”が見えるミニドラマになると思うので、若者の本音を知りたい方にはぜひ観ていただきたいです。 常見陽平(社会学者)コメント いま、老若男女問わずビジネスパーソンの悩みとは、異なる年齢層とのコミュニケーションだ。特に40~50代の社員は若いビジネスパーソンとのコミュニケーションに恐怖心すら抱いている。ハラスメント扱いされるのではないか、自分の言っていることが響かないのではないかなどが懸念され、ますますコミュニケーションがぎこちなくなる。育った環境、特にITツールやメディアとの接点のあり方により、ジェネレーションギャップが細かくなっている。違う年齢層の人に対して「非常識」だと感じることもあるだろうが、実際は「異常識」なのだ。つまり、常識が異なるのだ。特に40代男性が不安になる言動として「年下の人に対して、“(自身が)言わなくていいことを言った”と思ったとき」が1位となっていることが象徴的だ。これもそうだが、「よかれ」と思って言ったこと、若者を「わかっているつもり」で言ったことが相手を傷つけたり、スルーされたりすることを過度におそれているのではないか。一方、希望が持てるデータでもある。アラフォーも若者も、違う年齢層とのコミュニケーションが不安ではあるが、交流したい、嫌われたくないと思っている点である。相手に対する好奇心、想像力を大切にしたい。
リアルサウンド編集部