いじめ「重大事態」公表に2年以上 浜松市教委、第三者委調査報告 被害者転校
浜松市教育委員会は7日の市議会市民文教委員会で、2022年5月に中学校生徒が同級生から心理的苦痛を受けて転校したとして、いじめの「重大事態」に認定していたことを明かし、市いじめ問題第三者委員会の調査結果を報告した。小学校時代から同じ生徒からいじめを受けて欠席が増えていたのに適切な対応を取らなかった。 2年以上たって重大事態を公表したことについて、市教委は国のガイドラインで公表の基準がないことを理由に挙げた。 報告書によると、いじめは同じ小学校を卒業し、同じ中学校に入学した2人の間で起きた。小学校時代に加害生徒がほうきで掃こうとしたことや、中学で別クラスになった加害生徒が被害生徒に近づく行為などをいじめと認定。被害生徒が加害生徒の言動を意識せざるを得ない心理状態や、関係法の「対象となった児童生徒が心身の苦痛を感じている」ことなどが要件に該当するという。被害生徒は中学校進学後に転校した。 小学校時代に学校側は生徒が心理的苦痛を感じていたことをアンケートで把握していたにもかかわらず、担任の教員が独力での解決にこだわり、校長もいじめとして対応する指示を出さずスクールカウンセラー、養護教諭ら専門職と適切な情報共有をしなかった。 その後、市教委が自ら調査をしようとして第三者委への諮問が遅れた点についても、法の理解に不備があった可能性を指摘した。 市教委は今後、関係者の処分を検討する。
静岡新聞社