初の全国ツアー中! 大阪を拠点に活動する注目のお笑いコンビ・黒帯インタビュー
今年2月より、自身初となる全国ツアー「ネタサボってんじゃねぇよ」を開催している気鋭の芸人・黒帯(大西進、てらうち)。反響を呼び、広島、そして東京は8月15日にルミネtheよしもと、大阪は9月3日になんばグランド花月にて追加公演が決定した。今年4月からはマユリカ、紅しょうがなど今をときめく人気芸人たちの魅力を引き出してきたラジオ関西Podcastの新パーソナリティーにも抜てき。勢いを増す黒帯に、ツアーで得た手応えや今後の野望を聞いた。
――黒帯さんは多くの先輩芸人の方々から、かわいがられているイメージがあります。 てらうち 「僕ら、最初は松竹芸能のスクールに通って、松竹芸能に所属してたんです。さらば(青春の光)さんとかプリンセス金魚さん、恋愛小説家(現:シンプル)さんとか吉本の芸人と賞レースでバチバチに戦ってた人たちがすげえかわいがってくれて。お客さんには全くウケてなかったですけど、芸歴2年目くらいの時、さらばの森田さんとかがおもろいと言ってくれて、ライブに誘ってくれたのは自信になりました」 大西 「吉本のインディーズライブに出るようになってから、吉本の人らにもおもろいなって言ってもらえるようになったんです。当時、松竹の若手はテレビ志向が多くて。僕らは漫才を頑張りたいっていうのもあって、吉本に移りました。金属バットさんとかDr.ハインリッヒさんとかはインディーズの頃からかわいがってもらっていました。ほんまにデカいですね、先輩の存在は。僕ら、人の運はあるのかもしれないです」
――2月からスタートした全国ツアーも残すところ追加公演の東京、大阪の2公演です。ゲストには金属バットさんとDr.ハインリッヒさんが出演されます。 大西 「ああ、ほんまや。…エモいですね」 てらうち 「お兄さん、お姉さん方とはお客さんが5人くらいしかおらんライブで一緒にずっとやってましたから。それが500、600人の前で一緒にライブできるようになったのはうれしい。だいぶエモいですね」 ――これまで回ってきた全国ツアーでの手応えはどんなところに感じていますか? 大西 「始める前より成長できたかどうかは分からないですけど、ネタ数は慣れてきたなと。あと、自分の中でこのネタはここでウケんくても、ほかでウケるやろうなみたいなことが大体分かってきた感じがあります」 てらうち 「笑い飯の西田さんにネタのことを聞いた時に、面白いとウケるはどっちかじゃあかんと言われて。僕は面白かったらいいやろと思ってたんです。けど、ウケるのも大事なんかと。今まで考えてこんかったなと思ったので、今年はウケることも意識してます。で、ウケるってなると(お客さんが)分からんことを言ったらあかんなとか思ったりして。特に地方へ行くとなると、面白さの幅がより広くないとウケるにはならんやろうなとか考えながらやってました」 大西 「楽しんでもらうことも大事ですからね。…忘れてたんですけど、昨年の夏くらいから今年の初めまでネタが急にウケなくなった時期があったんです。スタイルを変えたことも影響があったんでしょうけど、中笑いくらいしか取られへん状況が続いて。で、ツアー1発目のよしもと漫才劇場でめっちゃウケて元に戻ったんですけど、あれ、なんやったんやろ? もしかしたら悩んでたんかもしれないですね」 てらうち 「しかも、漫才劇場っていう僕らのことを知ってるお客さんが来てくれる劇場でウケへんかった。面白い自信はありましたけど、この状況でウケへんってことは何かが足りてないんやろうなって。その半年間、シンプルにウケようっていう話し合いを何度もしました」 大西 「ほんまに調子悪かったですね」 てらうち 「忙しすぎたというのもあったと思う。急に仕事が増えたんで」 大西 「確かに。自分で言うのもなんですけど、昨年は結構稼いだんですよ。もちろんうれしかったんですけど、その反面、失うものも結構ありました。『M-1』の準々決勝で負けた月、今までで給料が一番高かったんです。いうても僕らの最高月収なんでたかが知れてますけど、これ、いらんなあって」 てらうち 「全然うれしくなかった。世の中お金じゃないみたいなこと言いますけど、マジであるんかって思いました」 大西 「金だけでは満たされないんやなって実感しましたね」