4階級王者井岡一翔が大晦日に最強挑戦者とV1戦「息子を勝利リング上げるため世界戦厳しさを教えてやる」と豪語
ボクシングのWBO世界スーパーフライ級王者、井岡一翔(30、Reason大貴)が大晦日に大田区総合体育館で同級1位のジェイビエール・シントロン(24、プエルトリコ)と初防衛戦を行うことが10日、都内のTBSで発表された。4階級制覇王者の井岡にとって初防衛戦となるが、元WBA世界フライ級暫定王者の江藤光喜(31、白井・具志堅)との挑戦者決定戦を判定勝ちでクリアしてきたシントロンは2度の五輪出場経験がある無敗の最強挑戦者。サウスポーのアウトボクサーで井岡が追い詰めきれない危険性もある。ただ8月に長男が生まれモチベーションはアップ。父として負けられない大晦日決戦となる。
最強挑戦者は五輪2度出場の元オリンピアン
井岡の大晦日世界戦は、これが8度目。“TBSの視聴率男”は、それを名誉に感じた。 「今年も大晦日に試合をしたいと思っていた。毎年、大晦日を意識している。格闘家、ボクサーして幸せなこと。これからも1年の締めくくりの試合ができればいい」 日本人初の4階級制覇を成し遂げた6月のアストン・パリクテ(28、フィリピン)とのWBO世界スーパーフライ級王座決定戦は、その称号にふさわしいベストバウトだった。井岡は、明らかに体格で劣っていたが、勇敢に打ち合って最後はTKOに仕留めた。 「ボクシング人生が決まる大切な試合だった。ボクサーとしても男としても株が上がった。その4階級制覇の印象を薄れさせないためにも今回は大事な試合になる」 4階級制覇王者として注目の初防衛戦は指名試合となった。ランキングトップコンテンダーのシントロンは簡単な相手ではない 12戦無敗のサウスポー。5月に行われた江藤との挑戦者決定戦では、1ラウンドに右フックを浴びてKO負けを喫したかのように思われたが、陣営が「バッティングだ!」と猛抗議。VTRを検証したところ、パンチの前に“頭突き”が当たっていたことが確認され無効試合となった。8月に再戦したが、2ラウンドに左ストレートでダウンを奪うと、アウトボクシングを徹底してポイントで圧勝。井岡への挑戦権を獲得した。 元オリンピアン。ロンドン五輪はベスト8、リオ五輪は、1回戦敗退だが、WBSSの準決勝でWBA、IBF世界バンタム級王者、井上尚弥(26、大橋)と対戦し、1ラウンドだけ互角に戦った同じプエルトリコのエマヌエル・ロドリゲスにアマチュア時代に2度勝っている。しかも、大手プロモート会社のトップランク社に見込まれ、リオ五輪バンタム級銀メダリストで10月にWBO世界フェザー級王座決定戦に挑むジャクール・スティーブンソン(米国)と共に契約しているプロスペクト(将来有望)ボクサーの一人である。 井岡も、その点は十分に理解しており「今回は一難去ってまた一難という感覚がある。難敵」と認めた。まだ軽く映像を見た程度だが、「よく動き回る選手という印象。足を使って足を止めない。アマチュア時代に五輪にも出場している。技術は高い選手かな」という印象を口にした。