【セルジオ越後】実力差が大きすぎて得るものがなかったミャンマー戦。MOMはハットトリックの上田? フェアじゃないね
相手のレベルからすると5点でも少ない
北中米ワールドカップ・アジア2次予選の初戦で、日本はミャンマーに5-0で勝利した。 【厳選ショット】上田綺世ハットトリック!鎌田大地、堂安律も決めて大勝発進!|W杯アジア2次予選 日本 5-0 ミャンマー 予想通りの結果というか、実力差が大きすぎたね。日本が得点を重ねても、ミャンマーは反撃を試みない。得失点差を気にしているのか、勝とうとする意欲が見られなかった。 ミャンマーとは前回のアジア2次予選でも対戦して、圧勝している。当時と比べても、相手からは進歩が感じられなかった。国内リーグを充実させるとか、本気で強化しているのか、大いに疑問だ。 厳しい言い方になるけど、これだけ大きな力の差があると、日本にとって得るものはない。これでは、いつまで経ってもヨーロッパや南米との差が埋まらない。アジアはそういう地域だと痛感させられた。 日本がワールドカップでベスト16の壁を超えられない理由の一つが、アジア2次予選なのではないかとさえ思ってしまうよ。 規定上は難しいのだろうけど、日本や韓国といった強豪国はシードさせて、最終予選から登場するとか、できないのだろうか。実力差があり過ぎるゲームでは、大怪我のリスクもあるからね。 あと、いつも言っていることだけど、ミャンマー戦のような試合では“錯覚”に注意すべきだ。自分たちがすごく上手く見えてしまうからだ。 マン・オブ・ザ・マッチを選ぶとすれば、通常はハットトリックを達成した上田になるのだろう。でも、それはフェアではない。相手がほとんど攻めてこなくて、キーパーとディフェンダーに見せ場がないからだ。 相手のレベルからすると5点でも少ないくらいで、ゴールを決めて当たり前。上田、鎌田、堂安も評価するのが難しいね。セットプレーの質が物足りなかったのも、気になった。 新戦力の発掘もなかった。細谷は目立ったプレーがなかったし、佐野は上手いけど、もっとミドルシュートを打ってほしかった。前川もキーパーでは異例の途中交代で投入されたけど、ピンチがないのだから、どうしようもないね。いずれも、アピールに成功したとは言えないだろう。 次はシリア戦。2次予選のなかでは、強い相手だ。主軸の伊東、久保、遠藤、冨安がミャンマー戦で温存されたことから、ターンオーバーがあると思われる。まず負けないだろうけど、しっかりと戦ってほしいね。 【著者プロフィール】 セルジオ越後(せるじお・えちご)/1945年7月28日生まれ、78歳。ブラジル・サンパウロ出身。日系ブラジル人。ブラジルではコリンチャンスやパウリスタなどでプレー。1972年に来日し、日本では藤和不動産サッカー部(現・湘南ベルマーレ)で活躍した。引退後は「さわやかサッカー教室」で全国を回り、サッカーの普及に努める。現在は解説者として、歯に衣着せぬ物言いで日本サッカーを鋭く斬る。
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