【阪神牝馬S】マスクトディーヴァに割引データあり 直線長いマイルがベストなドゥアイズを推奨
血統解説:ドゥアイズ、ライラック
・ドゥアイズ 日本での牝祖は祖母サミットヴィル。同馬は現役時メイヒルS(GⅢ・芝8F)を勝利した実績馬。ヨーロッパ血脈の一族だが祖母の父がGrand Lodge、3代母の父がShirley Heightsで比較的スピード性能の高い血を重ねられてきた。日本では従兄弟のルークズネスト(父モーリス)がファルコンS勝ち、叔父シンギュラリティ(父ダノンシャンティ)がJRAで4勝している。 本馬はルーラーシップ×ディープインパクトというキセキやドルチェモアと同じタイプの組み合わせだが、ファミリーの距離適性が短くストライドの大きいマイラーに出ている。前走で高速決着にも対応し本格化してきている。直線の長いマイルで良さが出る馬で、阪神マイルはベストな舞台だろう。 ・ライラック 日本での牝祖は4代母スカーレットインク。同牝系といえばダイワメジャー、ダイワスカーレットの兄妹が活躍馬としては有名だ。本馬も7/8同血の兄に札幌2歳S勝ちのブラックホール(父ゴールドシップ)がいる。成長力のあるスカーレットインク牝系、そこにフジキセキ→キングカメハメハ→オルフェーヴルとつけられた本馬だが、オルフェーヴル産駒らしく古馬になってから徐々に強くなってきた。 エリザベス女王杯2着やフェアリーS勝ちなど実績面では今回のメンバーなら最上位。操縦性の高さやしぶとさが持ち味のタイプで非根幹距離、小回りコースがベストな馬だ。阪神マイルは追走で手一杯になりそうで、実績ほど走れない可能性が高い。
Cアナライズではドゥアイズを推奨
今回のCアナライズではドゥアイズを推奨する。元々はルーラーシップ産駒ということもあり高速決着には不安があるタイプだったが、前走の洛陽Sで時計勝負にも対応した。 クラシック3走の中で最も着順が良かったのも桜花賞の5着で、直線の長いマイルがベスト。明らかに適性外だったオークスと秋華賞を除けば一度も掲示板を外したことのない堅実派だ。時計勝負にも対応できるようになった今なら好走の可能性は高い。 荒れやすい重賞だけに前走の敗因が明確なゴールドエクリプスを中心に、好走データに該当する馬は馬券の相手に組み込みたい。ライラックは好走データには該当しているが、適性がズレる今回は上位人気になるようなら嫌ってもいいか。 【ライタープロフィール】 貴シンジ 競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか「競馬王」など商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。
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