【竹下玲奈さんの「観葉植物」】いつか“株分け”するのが夢です
Dear my Love…竹下玲奈さんの娘に受け継ぐものがたり vol.5:▶▶ 観葉植物 20年以上ともに過ごしているセロームを、いつか“株分け”するのが夢です
「“セロームさん”は、引っ越し先の環境によって育ち方を変えるんです。狭い場所ではそれなりに、日当たりのよい広い場所だと伸び伸びと。今は、成長しすぎを防止するために、部屋の隅に置いています。セロームさん以後、わが家には徐々に植物が増えていきました。最近は、水耕栽培にハマっていて、いつか水耕から育てたアボカドや枇杷の木と同居するのを目標にしています」──竹下玲奈さん 亡くなった父は、植物を育てるのがとても得意な人でした。小さな蔦の鉢を買ってきたかと思ったら、気がつけば部屋の壁中に葉っぱが張り巡らされているような、見事なグリーンサム。厳しくて気ままな父は、水やりだってまばらで、それでも植物って大丈夫なのだと学びながら、私は育ちました。 10代後半で一人暮らしを始めたとき、植物を部屋に置くのが当たり前だと思ったのも、そんな父の影響から。でも、若い頃の私は世話が中途半端で自己中心的。だからすぐダメにしてしまう。買っては枯らすを繰り返すんです。今思うと、幼かったんですね。植物と真剣に向き合おうと思ったのは、20歳を過ぎてから。決心して代官山の植物店を訪れ、お店の方に相談しながら丁寧に選んだのが、今、わが家のリビングルームの一角に鎮座する、フィロデンドロンセロームです。 通称、“セロームさん”との付き合いは、もう20年以上。家族の誰よりも長く、人生をともに過ごしています。水やりは、父ゆずりの気まま方式。サトイモ科には手をかけすぎないのがいいらしく、ズボラな私と相性がよかったようで、お互いストレスを感じずに、20年がたったという感覚。私が育てているというよりも、同じリズムで共存してるという感じかな。言葉で表現するのは難しいのですが。 そう。娘は生まれたときからずっと、セロームさんと一緒です。家にいるのが当たり前のセロームさんを、最近になって、植物だと認識したようで、どこで覚えてきたのか、「うちには緑がいるから、私の目がいいんだよね」と言うように。ただ、やっぱり娘にも、植物に関することを言葉で伝えるのが難しくて、あまり話をしていないんです。もともとは自然にいるものが、なぜかわが家にいて、たまたま共存できている。それ以上のことはない気がして。娘に受け継ぐとしたら、その想いと、株分けかな(笑)。株分けした先のセロームさんにも、気ままに水やりに行こうかなと、今から楽しみにしています。
●竹下玲奈 Rena Takeshita モデル 1981年、鹿児島県生まれ。14歳でデビュー以来、トップモデルとして活躍。群を抜いたセンスに業界内のファンも多く、“モデルが憧れるモデルNo.1”との呼び声が高い。『LEE』では、モデルとしてはもちろん、その愛情あふれるライフスタイルが読者の心をつかんでいる。 Staff Credit スタイリング/竹下玲奈 撮影/長山一樹(S-14) 取材・原文/磯部安伽 こちらは2024年LEE8・9月号(7/5発売)「竹下玲奈さんの娘に受け継ぐものがたり」に掲載の記事です。