「すごく体調が良く、出力が出過ぎて体が空振りしている感じ」強打封じた今永昇太 防御率はMLBトップ0・96
◆米大リーグ ブレーブス2―0カブス(13日・米ジョージア州アトランタ=トゥルイストパーク) カブス・今永昇太投手(30)が13日(日本時間14日)の敵地・ブレーブス戦に先発し、5回7安打無失点と好投した。98球で3四球と苦しみながら、昨季ナ・リーグMVPのアクーニャらを擁するブレーブスの強力打線を封じた。援護がなく勝敗はつかず、日本人投手最長タイのデビュー6連勝はお預けになったが、防御率はメジャー全体で唯一の0点台となる0・96。デビューから8先発での防御率としては歴代4位の快挙となった。 エキサイトする指揮官の姿に、今永は燃えた。両軍無得点の4回2死満塁、打席には昨季MVPのアクーニャ。2ボール1ストライクからハーフスイングがボール判定されると、カウンセル監督が猛抗議して退場処分を受けた。 「勝敗より手前の1スイングに、僕より感情的になってくれてすごく感謝しています」 カウント3―1から真ん中直球。右飛に仕留め、手をたたき、天を見上げた。結果は最高だったが、今永らしく、冷静に分析した。 「もう、運でしかない。(相手の)得意なゾーンですし、フルスイングした。相手が直球と分かっている中で投げている。野球の面白さとも言えますけど」 アクーニャを始め、大谷を上回る今季12発のオズナらを擁するブ軍相手に粘った。4イニングは2人以上の走者を出したが要所を締めた。援護がなく02年石井、14年田中に次ぐ日本選手最長デビュー6連勝は持ち越しとなったが、最強打線を0封。ただ、絶好調だったがゆえ、満足感はなかった。 「すごく体調が良く、体の動きもめちゃめちゃ良くて、出力が出過ぎて体が空振りしている感じがあった。もう1回、2回投げなければいけない」 防御率0・96はMLBトップで唯一の0点台。デビューから8先発では、防御率が公式記録となった1912年以降で歴代4位だ。先発しかしていない投手ではトップの数字。MLB公式サイト記者による「模擬サイ・ヤング賞投票」では、ウィーラー(フィリーズ)、グラスノー(ドジャース)に次ぐ3位に入った。 DeNA1年目の16年。「援護というのは防御率0点台の投手が言えること」と言った。登板8戦目で初めてチームが敗れたが、スーパールーキーはまた一つ株を上げた。 ◆今永の主な記録 ▽デビューから8先発で5度の自責0 1913年以降では81年のバレンズエラ(ドジャース)、2013~15年のコロメ(レイズ)に続く3人目で最多。 ▽防御率0・96 ナ・リーグで防御率が公式記録になった1912年以降で、開幕から救援を挟まない全て先発の8先発では、球団史上トップ。 ▽8登板で防御率0点台 2021年のデグロム(メッツ)以来3年ぶり。
報知新聞社