ヤクルト、代打・山田哲人V打でミラクル大逆転 6月13勝9敗締め!さあメークミルミル
さあ、7月反攻へ!! ヤクルトは30日、阪神11回戦(神宮)に6-5で逆転勝ちした。1ー5の八回、打者10人の猛攻で一挙5点を奪った。同点の八回2死一、三塁で代打で登場した主将の山田哲人内野手(31)が勝ち越しの左前適時打を放ち、試合を決めた。今季初となる4点差以上の逆転勝利を飾り、6月は2連勝で締めて13勝9敗。レギュラーシーズンの折り返しの72試合を終え、首位広島と7ゲーム差の5位タイから奇跡の大逆転を狙う。 背番号1の登場に、沸き返る神宮球場のボルテージがさらに上がった。5-5の八回2死一、三塁。押せ押せムードの中、代打で登場した山田が、左前へ勝ち越しの適時打をマークした。八回に4点差をひっくり返す大逆転勝利を呼び込み、主将はベンチに向かって右拳を突き出した。 「打席の中で、大きな『山田哲人コール』が心に響いた。ありがとうございます。技術どうこうよりも気持ちで打った」 1-5で迎えた八回。劣勢でも誰一人諦めていなかった。1死から西川が四球を選んで出塁すると、続く宮本が中前打でつなぐ。2死一、二塁からは村上が中前適時打をマークし、なお満塁で長岡が走者一掃の3点二塁打を放って同点に追いついた。 ビッグウエーブは加速する。松本直が左前打で続き、2死一、三塁にチャンスを拡大。左腕の岩崎がマウンドに上がると、代打として山田の名前がコールされた。「早い段階から『左投手が来たら行く』と言われていた。準備はできていた。チームが勢いに乗っていたので、自分も乗れたらと思った」。カウント2-1から変化球を引っ張り、「自然に出た」と一塁へ走りながら、珍しくガッツポーズ。打者10人の猛攻で一挙5得点して試合をひっくり返し、ベース上では満面の笑みを浮かべた。4点差以上の逆転勝利は今季初。リーグ最多257得点を誇る打線が真価を発揮した。 山田は今季、下半身を痛めて2度の離脱を経験し、46試合の出場で打率・210、5本塁打、17打点。「結果が出ていない」と悔しさをかみしめる。再起への熱い思いを抱き、調整も工夫。14年目の今季から試合前練習中にポール間走などの走り込みを行う姿がある。「打撃だったり、守備だったり、粘り強い体ができるんじゃないかと思ってやっている」。もがく主将の一打が、劇的な逆転劇を演出した。 連勝で締め、6月は13勝9敗。右肘痛などの度重なる故障を乗り越え、奥川が3季ぶりの勝利を挙げるなど、上位浮上への戦力がそろいつつある。レギュラーシーズンの折り返しの72試合を終え、高津監督は「あの八回に全てが詰まっている。まだまだ半分。毎日選手の成長を見ながら、勝つことを目指して頑張りたい」と前を向いた。