7代目円楽襲名の三遊亭王楽「私は幸せ者」笑福亭鶴瓶、立川志の輔は泣いて喜んでくれたと明かす
<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム> 25年2月20日付で7代目三遊亭円楽を襲名する落語家三遊亭王楽(46)がこのほど、都内で会見を行い、襲名披露興行の概要も発表された。 【写真】三遊亭好楽、林家木久扇と笑顔の3ショット 襲名の経緯は、22年に72歳で亡くなった6代目円楽さんの意向だったということが明かされた。遺族に、円楽を継ぐのは王楽だと明言していたそうだ。また、王楽の師匠は09年に76歳で亡くなった5代目圓楽さんだ。円楽の名跡には深い縁がある。 襲名を決意したのは、円楽という名跡を風化させてはいけないという思いがあったそうで、王楽は「今なら5代目、6代目の顔も名前も覚えられている」と感じたとした。日本テレビ系「笑点」で親しまれた5代目、6代目。落語ファンだけでなく、お茶の間にも顔と名前が浸透している。それぞれに思い出す「えんらくさん」がいる。 王楽は、5代目、6代目についてじっくり語ってくれた。「23歳で入門した時、5代目は68歳でもう好々爺(や)でしたし、最後の弟子でもあり、かわいがってもらいました」と振り返り、6代目については「前座のころから怖い存在だった」とした。 王楽によると「(6代目には)一挙手一投足、直していただき、3年間みっちり怒られた」とのこと。落語よりもまず先に、礼儀、マナーなどを教わり「我々は落語協会や芸術協会に属してないので、そういう師匠方と一緒になった時に役に立ち『あんちゃん、気が利くね』と言ってもらいました」。二つ目になって初めて、落語のことでしかられたのだという。今まで、落語については一切言われたことがなかったので「震えました」と喜びを反すうした。 また、桂文枝、立川志の輔、笑福亭鶴瓶、春風亭小朝、立川談春といった、披露興行に出演する落語家の豪華ぶりにも驚いた。協会、流派、東西の垣根を越えた出演者がそろったのも、5代目、6代目の功績、王楽の人柄によるものだろう。王楽は襲名が決まった後、何カ月もかけ1人1人にあいさつに出向き、報告したという。鶴瓶、志の輔は泣いて喜んでくれたそうで「私は幸せ者です」と語った。 会見会場には、5代目、6代目の写真が飾られており、大きな重圧は言わずもがな。ただ、名前は意外にすぐになじむものだし、その先は父好楽が言うように「大きくするのも小さくするのも本人の心構え」なのだろう。落語界にとっての明るく、大きなイベントを楽しみにしたい。【小林千穂】