おとり物件をAIが検知→自動で非掲載 LIFULLが自社開発
不動産情報サービス「LIFULL HOME'S」を運営するLIFULL(東京都千代田区)は1月9日、おとり物件を検知し、自動で非掲載にする新機能を実装した。おとり物件とは、「存在しない物件」「存在するが、取引対象にならない、あるいは取引の意思がない物件」の広告宣伝を指す。新機能ではAIを用いて、これまで検知しづらかった物件の募集終了や、実在しない架空物件の検知が可能となる。 【画像】AIでおとり物件を検知、仕組みは? 新機能はまず、LIFULLのデータベースに蓄積されている、過去に広告掲載された物件情報や、独自調査による募集状況の情報などをAIに学習させる。学習した情報をもとに、LIFULL HOME'Sに掲載されている賃貸物件の中からおとり物件を自動で検知し、非掲載にする。 不動産広告を掲載する不動産会社では、物件の募集状況をリアルタイムに把握するのが難しいことや、物件情報の更新漏れなどにより、おとり物件が掲載されてしまう課題があった。そこでLIFULLは2019年10月から、おとり物件を検知するAIの開発や精度検証を進めていた。 LIFULLは、不動産管理会社の保有する物件情報とLIFULL HOME'Sに掲載されている物件情報を照合。募集が終了した物件を自動で非掲載にする取り組みや、同じ物件でも不動産会社によって掲載状況が異なる物件情報を、不動産会社へ通知する仕組みを導入してきた。今回、過去の施策ではカバーしきれていなかったおとり物件の検知が可能となり、新機能の実装に至ったという。
ITmedia ビジネスオンライン