【オーストラリア】〔ポッサムのつぶやき〕日本の賃金低すぎ、豪に出稼ぎの若者急増!
日本の景気低迷で、オーストラリアへ出稼ぎに来る日本人の若者が増えている。内務省の統計では、2022/23年度(6月期)に日本人向けに発給されたワーキングホリデー・ビザ(査証)は過去最多の1万4,398件で、本年度は既に8,487件のワーホリビザが交付された。公共放送ABCは、日本の低賃金や円安、高齢化などの現状に触れ、出稼ぎ増加の背景を探っている。 ABCは、日本の店頭で物価高に悩む母親や、社員の給料を上げたくても上げられないと嘆く小売店主などの声を紹介した。 為替相場は、20年3月には1豪ドル65円だったが、現在は同98円。国民の年齢中央値は、オーストラリアが38歳であるのに対し、日本は50歳近いとした。 19年にオーストラリアに移住し、シドニーで金属加工業に従事する33歳のタナカさんはABCに対し、日本にいた時よりも少ない労働時間で、収入はほぼ倍増したと話す。同じような境遇の若者に向け、YouTubeで給与明細や現地生活の様子などを「しょなる」という名前で発信している。 時給は残業や週末手当て別で約45豪ドルという。東京の最低賃金は1,113円(12豪ドル未満)、沖縄は896円だ。タナカさんは、日本での将来が不安だと語った。 ■ワーホリ期間を1年に短縮も? 連邦政府は、移民制度の見直しの一環で、ワーホリビザの期間を3年から1年に短縮することを検討している。16年の労使裁定機関フェアワーク委員会(FWC)のリポートで過少支払いや搾取の実態が表面化し、問題視されている。 ウエスト・オーストラリアン紙によると、西オーストラリア州の野党国民党は、地元企業や観光業に最大3億6,000万豪ドルの損失になると反対している。