David Tepper. Photographer: Andrew Harrer

（ブルームバーグ）： ヘッジファンド運営会社アパルーサ・マネジメントを率いる資産家デービッド・テッパー氏は中国政府が予想を上回る大規模な景気刺激策を打ち出したことを受け、「あらゆる」中国関連株を買い増している。

テッパー氏は中国資産への大規模投資について、中国共産党の指導部が今週打ち出した政策転換を要因に挙げた。「先週の米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）の政策決定は中国の金融緩和につながると考えていたが、ここまで大規模な政策が打ち出されるとは思ってもみなかった」とＣＮＢＣとのインタビューで語った。

アパルーサは４－６月（第２四半期）にアリババグループや米国の大手ハイテク企業の株式持ち分を減らしたものの、今年初めに買い集めた中国企業株の大半を維持していた。

ここにきて中国共産党指導部が財政支出の支援と不動産セクターの安定化を誓い、成長回復に向けた取り組みを強化したことから、テッパー氏は再び、テクノロジー大手のアリババや百度（バイドゥ）を含む中国株を買い進めている。

テッパー氏は「われわれはもう少し長く、より多くの中国株を保有している」と述べ、今週の株価急騰後もバリューエーション（株価評価）が低いことが買い手となっている理由の一つだと語った。

中国本土株の指標ＣＳＩ300指数は26日に4.2％上昇し、週間ベースでは約10年ぶりの大幅高となる方向。米国上場の中国株指標であるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数もニューヨーク市場で11％上昇し、２年半余りで最大の上げを記録した。

テッパー氏は中国株投資で自ら課していた上限を撤回したことも明らかにした。「私は上限を設けている。昔からの上限で、かなり前に10％ないし15％を超えて買うことはないと言ったと思うが、それはもう当てはまらないだろう」と述べ、「新たな限界」を設定したとＣＮＢＣに語った。

証券やファンド、保険会社が株式を購入するため中国人民銀行（人民銀行）から流動性を引き出せるようスワップ制度を設けると潘功勝総裁が発表したことについて、テッパー氏は称賛。「私にとって素晴らしいディールだ。この制度を利用したい」と述べた。