互いの住所もわからない現代…そんな今、年賀状事情は? 発行枚数はピークから約4分の1まで減少 SNSが普及している現代でどう変化していくのか?
日本海テレビ
正月の文化「年賀状」近年、"年賀状じまい”の傾向も増えている中、今年の年賀状事情を取材しました。 今年も、残り1か月を切りました。正月の行事のひとつ「年賀状」。街の人に年賀状事情を聞きました。 街の人 「書いてます。毎年。こんなこともあったし、皆さんの元気な姿をお知らせいただきたいというのもあって」 「毎年自分は数枚しか出さない。はがきの値段も上がりましたが、数枚程度なので」 「年賀状はあまり出さない。スマートフォンであいさつはします」 「いや、出すつもりは今のところないです。便利なツールで代用できて、それはそれで新しい形で良いのかなと」 出す人、出さない人、意見はそれぞれ。中でも多かったのが「周りでは出す人が減っている」という声です。実際、日本郵便のデータによりますと、年賀はがきの発行枚数は2003年をピークに20年前の約4分の1まで減少。 さらに、年賀はがきの料金も20年前と比べ、現在は1枚あたり35円増加。値上げも踏まえ、発行枚数の減少に至った要因として、マーケティングの専門家はこう分析します。 鳥取環境大学 竹内由佳 准教授 「『あいさつのためにやらなきゃいけない』ということに段々移行していったせいで、現在SNSやメッセージアプリが出てきた段階で、もう送らなくてもいいのではとなった。年賀状自体のあいさつをしないといけないという提供価値を重く感じた人が一気に移行した」 また、本来遠くにいる人にあいさつをするためのものでしたが、互いの住所もわからない現代においては、年賀状が機能しないのではといいます。 そんな中、やはり「年始のあいさつをしたい」「年賀状を受け取るとうれしい」といった根強いニーズに対し、日本郵便ではこんなサービスもー。 それが、パソコンやスマートフォンのアプリで手軽に年賀状をデザインできる「はがきデザインキット」。写真や文字を入力すると簡単にオリジナルの年賀状を作成。さらに、今年からアプリで作成したデザインをLINE、X、インスタグラム、フェイスブックでシェアできる機能を追加しました。 こうしたコンテンツで日本郵便では、手紙の良さの訴求や手紙との接点を増やしたいと話しています。SNSに力を入れる一方で、今後の年賀状事情はどう変化していくのでしょうかー。 鳥取環境大学 竹内由佳 准教授 「今年も誰々さんから来てる!とやるのが文化だった。そういうものは、残るのは残るが媒体は変わる。紙媒体でもいいと思う。年賀状ってたぶん彼らにとっては新しいのかもしれない。年賀状自体が悪いわけではなくて、少し凝ったものを作ってみたいという人向けに、特別に年賀状を作る何かをつくった方が逆に売れるのかもしれなかったり」 なにかを届けて喜ぶ…。そんな価値を年賀のあいさつに見い出すことで、年賀状は今後も大事な働きを果たすのだろうということです。
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