勉強をしっかりやるからこそサッカーに集中できる|東北学院 DF阿部幹大選手#1【文蹴両道】
宮城県の進学校ながら、昨年はインターハイに出場し、選手権県予選は2年連続準優勝。日本代表で活躍したGKシュミットダニエルなどプロサッカー選手も多く輩出している東北学院の選手はサッカーと学業をどのように両立しているのか。今季キャプテンを務めるDF阿部幹大(2年)選手に訊ねた。 【フォトギャラリー】東北学院 ――勉強の面で工夫しているところはありますか。 【阿部君の平均的な1日のスケジュール】 6:30 起床 7:30 家を出る 8:00 学校着 8:50~16:10 授業 16:45~18:40 部活 20:00~22:00 帰宅、夕食、風呂 22:00~22:30 ストレッチ、体のケア 22:30~24:30 勉強 24:30 就寝 東北学院は受験型(一般受験を狙う)の人と指定校型(指定校推薦を狙う)の人がいます。自分は指定校型なので、学校の勉強についていくことが一番です。学校生活での授業も大事にして課題もしっかりやります。受験型の人は1年生の時の復習や予習も大事になりますが、自分は指定校型なので、今の学校の進度にコミットしていくような勉強のやり方をして、今勉強しているところの復習や予習を大事にしています。公立校ともまた違う特殊なやり方かもしれません。 ――昨年はプリンスリーグ東北があり、バス移動もたくさんあったと思います。そんな中どうやって勉強していましたか。 プリンスリーグ東北があった時期は、毎週のように小テストがあったので、小テスト向けの勉強をバスの中でやっていました。印象的だったのは6月の東北高校サッカー選手権大会に行った時は学校の試験期間と被っていて、(本来は試験期間の1週間前から部活が休みになる)試験休みが取れませんでした。宿に着いたら特別な集合場所が用意されていて、夕飯を食べたらみんなでそこに集まって試合前ですが夜まで勉強していました。 あと、プリンスリーグ東北でベンチスタートが続いた時期は試合の前の日でも遅くまで勉強していました。試合に出ているメンバーはケアも大事ですが、あまり出ていないメンバーはもちろん勉強も大事なので、移動中は単語帳などを開いている人もいます。学年トップクラスの人もいて、毎日勉強していますね。 ――勉強もサッカーもしっかりできる学校に入って良かったことは何でしょうか。 サッカーと勉強、大変だよねとはよく言われるのですが、逆にサッカーに集中できる環境だと自分は思っています。勉強を学校でやらせてもらえるからこそ、部活の時間は部活優先でできますし、夏休みも部活優先でできています。良くも悪くもサッカーに全てをかけていない校風ですが、学院に来て良かったなと思うのは、勉強をしっかりできるからこそサッカーに本気になれるところだと思います。もちろん練習時間は仙台育英や聖和学園と比べると少ないですが、その分サッカーに集中できていると思います。 ――サッカーのプレー面で勉強が生きているところはありますか。 自分のプレーを振り返るのはなかなか難しいと思うのですが、みんな自分の意見を伝えるのがうまいです。熱意が他の高校と違う方向にあって、僕たちの中ではサッカーだけでなく、サッカーも将来もと考えていて、いろんなところで勉強の知識がサッカーのプレーに上乗せされています。勉強しているからこそ、サッカーに対していろんな考え方ができるのは、もしかしたら他の高校よりあるのかな、と思います。 (文・写真=小林健志)