シルビア復活は…当分ありません!! でも期待しちゃうくらいいいクルマだったんです!!
シルビアを当時の魅力のまま復活させるのは不可能
小型車が続々とFFレイアウトを採用していく時代にあっても、生涯を通してFRレイアウトを貫いたシルビア。FRレイアウトは部品点数も多く重量もかさむし、またスペース効率が悪く実用性に影響を与えるが、FRならではの素直なハンドリングや、発進加速時の接地感や安定感は「走っていて楽しい」という感覚をもたらしてくれる。 そんなFRレイアウトを採用しながら、デザインにこだわりがあったというのが、シルビアがいまもファンの心をつかんで離さない理由だろう。どうしても「男性の趣味」というイメージが前面に出てきそうなスポーツカーを、こだわりのデザインによって女性ウケもよく、走り屋でなくても乗りたいと思わせる、スペシャルティカーとしての魅力も兼ね備えていたのだ。 そのため、もしシルビア復活があるならば、FRレイアウトと低いボンネットは必須だ。ただ、いまの日産には小型FRプラットフォームがなく、たとえ高額となったとしても購入を希望してくれるファンがどれほどいるのかも見通しが立たないこの時代に、シルビアのためだけにイチから開発するのは考えにくい。そう考えると残念ながらシルビアの復活はほぼありえない。
バッテリーEVでの復活ならあり得るのでは!??
ただ、電動化に力を入れる日産が、そのプロジェクトとユーザー層拡大の一環でシルビアを復活させる可能性はゼロではないと筆者は思う。 バッテリーEVは、バッテリーさえコンパクトにできれば、パッケージングやデザインの自由度が内燃機関モデルとは比較にならないほど高い。そのため、シルビアのような小型FRスポーツカーも開発することは可能だ。シルビアがFRレイアウトを採用した背景には、「ボンネットを低く抑えてスポーツカーらしいデザインを優先させる」という狙いもあったが、ガソリンエンジンよりも省スペースで済む電気モーターのバッテリーEVならば、(歩行者保護の観点の対策は必要だが)低いフードのデザインも実現することもできる。コストを度外視すれば、後輪をインホイールモーター化してもよいのではないだろうか。 シルビアは初代からデザインコンシャスな一面を持っていたモデルだ。安全性、走行性能を含め、時代に合わせた未来的なモデルが完成すれば、立派にシルビアという個性を再び世の中に送り出すことは可能だと筆者は思うのだ。 日産は2028年度までに自社開発の全固体電池を搭載したEVの市場投入を目指すと発表している。同時に幅広いセグメントのリリースが予定されているため、その一環としてシルビアが復活という流れもあり得る。また、600万円以上もするフェアレディZが人気殺到して抽選販売となる今ならば、車両価格は多少盛っても大丈夫かもしれない。ぜひ期待したいところだ。